銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

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ベン・アフレックのバットマンは全体になかなか良いが、ダークナイト三部作は最低のクソ映画だと思う私(あくまでも主観なので怒らないでね)、「ザ・バットマン」には期待したけどひどかったんで、やはりティム・バートン監督の「バットマン」こそが、いまでも至高のバットマンである、と思うバットマニアの私です。

先頃、映画「ザ・フラッシュ」での、まさかのマイケル・キートンバットマンの復活には、ほとんど映画館で泣きそうになりましたっていうかちょっと涙でました(ついでにニコラス・ケイジのスーパーマンとクリストファー・リーヴにも)


そんなわけで、オーロラの名作キット、バットマンです。

まだ記事にしてませんが、これに限らず最近オーロラづいて色々完成させてます。
病気で弱気になったときに、人生で作れる模型の数が限られてるなぁ、というようなことを感じて、ならば子供のときからアコガレであったオーロラのキットは完成させるべきだろう、などというような感覚になったので、連続して作っている次第です。
BATMAN
▲毎度おなじみ、やっつけ合成画像。いつもこの段階になって気づくんだけど、毎回合成するなら、先に合成用の素材としての画像を撮っておけばいいのに、撮るときは完全に忘れているものだから、あとになって毎回苦労する。バカ。



いや、別にフラッシュを見て燃えたから突然作ったわけではないです、それ以前から完成してました。


このキット、元は半世紀以上前のものです。

もっと細かく言うと1965年発売のキットです。
まあ歳がばれますが言っちゃうと
なんと私と同い年のキット
私が生まれた年に発売されたキットであります(笑)

半世紀以上前で、このデキなんですから、驚きますよね
金型の保ちも驚きですが。

オーロラ亡き後、何度も再販されていますが、今回私が作ったのはMPCが再販したもので、所有再販キット自体も充分に古く35年ぐらい前に買ったキットです。

プラって長持ちするねぇw

以前オーロラの話題のときに一度書きましたが、私は模型をやめたときにキットを一度全部捨てたのですが、オーロラのキットだけは残しておいた、というぐらいオーロラが好きなのです。

最初期のキットからは少し金型の改修が入っているようで(オーロラのキットにはよくある)、一番最初は木に止まるフクロウが付属していて、木の表面にBATMANの文字が彫られていたようです。
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▲オーロラのカタログより。 木の表面にBATMANの文字が彫られ、ふくろうがとまっている。おそらくマスク部分も改修されている。

バットマンなのにふくろう、ってところが、初期のまだまだキャラが固定してない感を感じさせますな。


さて、制作です

ベースのディテールなどは半世紀以上前とは思えないほど素晴らしく、対照的にバットマンはシンプルですが、これはコミックのテイストを再現しようとわざとこういう感じでしょう。

キットそのものは申し分ないのですが、さすがに古いキットなので合いは悪く、隙間埋めに苦労します。

木のディテールなどは貼り合わせて削ると消えるので、消えた部分は掘り直したり、若干モールドを掘り加えたり。

あと、前回も書きましたがオーロラ系のキットはできるだけテイストを生かしたいのでそのまま組みたいのですが、気になるところはちょっとだけ改修してます。

まずマントが異様に分厚いのですが、全部削ると死にますので、エッジのあたりだけを削り込んで少しでも薄めに見えるようにしてます。
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▲くだんのマント。めっちゃ分厚いプラの塊。エッジだけでも削って少しでも薄く見せる努力をしてる。この重たいパーツが首の部分だけでホールドされるので接着に苦労するのである

腕のトゲ?みたいな部分も、分厚くて角くて、まるで豪華肉厚かつサンドでもついてるようなので、少しシャープ気味に削ってます。

手などの細部はちょっとダルいので、キットを元に、少しディテールを深く彫り込んだりしてます。
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そして、このキットで一番気になるのが、曲げた右足の角度で、素組みだと・・・なんというのかな、言葉で表現しづらいんですけど、微妙に内股っぽいというか。
男ってもっとこう、普通、股開き気味じゃないですか、なんか膝が内側に寄りすぎてて男らしさがないというか、オカマっぽいというかオネエっぽいというか・・・そんなような印象を受けるんですよ、これがどうにも気になってしょうがなくて。
これだけは絶対に改修したくて、一度足を切り飛ばして、開き気味に角度を変えて接着、パテ埋めして整えて修正しました。
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▲足の開き方などは改修している。上のカタログ写真と比べると微妙に違うのが分かるかな? コウモリが最高。こういう芸の細かさがオーロラの持ち味。上の写真の台座に関してはあとの文章を参照。


なお、台座に関してなのですが、実はレーザーカッターで台座の下にD.C COMICS BATMAN-1965の文字を入れた木製のベースを作ってたんですけど、この時期持ってたレーザーカッターが狭い範囲しかカットできない安いやつで(今はもっと大きくカットできるマシンを持ってます)、左右に二分割せざるをえなかったんで、仕上がりがショボく眺めていてどうにも気に入らず、結局あとでハガした、という経緯があります。

そのため、写真も台座ありのときと、なしのときで二回撮ってますので、ものによって色味が違うのでした。

塗装に関してはどうしようか悩みました。
いや、何を悩むって、私一度、アメコミ系のキットで「アメコミ塗り」をしてみたい、と考えてたからなんです。
あの、アレですね、アメコミってベタを多用するじゃないですか、筆で書いたようなベタをたくさん入れたり。
あの塗り方を、模型で再現するのを一度やってみたい、とずっと前から思ってたんです、単色で塗って黒で筆塗り調のシャドウ入れる、みたいな。

でも、正直
面倒くさそうだな
と思ったので、今回は保留しました(笑)

とにかく完成品を増やしたかったので、時間かかることはやめようと。

で、コミックだといろんな色で塗られてて、このキットも最初のカタログだとずいぶん渋いグレーのパッケージ絵ですが、私の持ってたキットのパッケはマスクとかが青いバージョンで(上のカタログ写真もそうですね)、ま、とにかく、歴代バットマン、派手なのからダークなのまで色が色々あるわけで。
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▲右上がバットマン。パッケージ画像、渋い。ちなみにキャプテンアメリカはコンピュタースキャンでスケールアップしたものがポーラライツから発売され、ハルクも同様のものが発売済み、スパイダーマンもポーラライツから再販済み。スーパーマンは再販はどうだったかな(古いキットを持っているので再販情報を気にしてないのだった)

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▲私が持ってたのはこのパッケージ。別物かと思うぐらい派手になっちゃってますなバットマン。

んなわけで、色、どうしようかと思ったんですが、あまり現代風のダークナイト調はこの時代のコミックバットマンには合わないし、あまり派手な青のもアレだなと思ったんで、渋めのグレーで。
イメージ的にはアダム・ウエストのテレビシリーズのバットマンの感じです。

あと、驚いたのは30数年前の胸のバットマークのデカールが普通に使えたことですな(笑)
  
ネタも言うと、完成直後に左腕がポッキリ折れてしまい、接着しなおしてます、よく見ると修復箇所が分かる写真があります(笑)
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▲かっけーっす。と自分では思うがどうか。いや、かっけーのはキットがいいからだが(笑)

復活宣言!

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てなわけで、日本全土で、こんなキット作ってんの俺ぐらいじゃないのか? と疑いたくなるぐらい、マイナーというか作例が見受けられない、メビウスモデルのキット、グリーンゴブリンです。

GREEN
▲毎度恒例となりつつある、やっつけ合成写真。うん、いさぎよいほどにテキトー。いじりはじめるとキリないんで途中でヤメた。


制作過程の記録がないので、いきなり完成です。

前に、メビウスモデルのスパイダーマンを記事にしたときに少し触れたことがありますが、スパイダーマンのキットとペアで発売されたもので、台座は共通で左右対称に配置できるようになっています。

詳しくは後で説明しますがコミック版のキットであり、私は別にコミックに思い入れはないっていうか一度も読んだことがないんで、このグリーンゴブリンも絵でしか知らないんですが、模型として作るのが面白そうだったし、スパイダーマンとペアだったんで買ってみました。

今頃記事にしてますが、実際は2022年の冬頃に完成してたものです。
他にも、まだ記事にしてないのが3個ぐらい待機してます。


さて、少し説明です。
言わずと知れた、いや、日本ではあんまり知れてないかもしれないですが、スパイダーマンの著名なヴィランの一人で、これまでの映画でも悪役として登場しました。

最初のサム・ライミ監督版の映画では
顔面リアルグリーンゴブリンのウィリアム・デフォー(好き)
が怪演しており、なんつう的確な配役だろうか、と思ったものです。
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でまさかの全面復活を果たしたときには涙ちょちょぎれそうでした。

コミックでは、まさに名前のとおり「緑の小鬼」なデザインです。
単なる緑のピエロみたいなオッサンというか、紫の服の専有面積のほうが広いので、
「コレはパープルゴブリンと呼ぶべきでは?」
という疑問すら軽く生まれます。
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▲パッケージはこれもん。イカす。現行のアニメ版でもこのデザインがいまだに踏襲されている

ライミ版の映画「スパイダーマン」ではメカニカルなスーツになっていて、戦隊ものや宇宙刑事を見慣れてる日本人的には安っぽく見える感があってピンとこないデザインだったんですが、実は近年になって、ライミ版でもギリギリまではコミックに忠実な形でデザインをブラッシュアップする案が進められていたことが情報公開されました。
ネットでメイクテストの映像なども見られますが、俳優に特殊メイクを施す方向だったようです(だから役者がデフォーだったんですね)。

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▲問題の特殊メイク版ゴブリン。メイク担当は大御所スタン・ウインストンのスタジオ、このバージョン見たかったなぁ


さて、毎度前振りが長いです(笑)
肝心のキットなのですが、ご覧のとおり完成したときの雰囲気はとても良いです。
グライダーの飛行状態で、クリアパーツで台座に支えるようになってます。
噴射煙まで立体化するとかも、オーロラっぽくてグッドです。

が、おそらく原型を簡易金型で成形しているためか、コンピューター設計が主流のイマドキのキットとは思えないぐらいにパーツの合いがテキトーで、一言でいうと
信じられないぐらい、とてもおおざっぱなキット
です。

雰囲気良いけど雑!って感じ。
口の中のパーツなんて、「えっ、これパーツなの? 溶けたプラの塊じゃなく?」って感じですよ、 めっちゃ削り直し必要ですし合わないし。

このおおざっぱさは、某怪獣ゴルゴのキットを思い出します、確実に半世紀以上前のオーロラのキットよりも合いが悪くしかも雑です(笑)

さらに全身細かいうろこがびっしり! ですから、組む苦労は推して知るべし!

うろこを彫り直す作業が、メチャクチャ大変なキットです

しかも、なぜかグライダーまでもろに原型そのまま簡易金型でかたどりました、って。
そこはコンピューター設計でかっちりにしとけよ、とw
もうディテールがおそろしくガタガタ、形ふにゃふにゃなんです。
筋なんか溝彫りというよりも運河彫りです、いったんパテで埋めて細めに直したりしてます。
全体になんか粘土こねて作りました、みたいなぐにゃぐにゃな感じを削りまくって少しでもピシッとさせようと修正しています、プラが肉厚なので相当削り込んでも穴あかないのが不幸中の幸いです。

私は基本、この手の雰囲気が良いキットは、できるだけキットの持ち味を生かしたいので、改造修正などは最小限にしたいという考えなんですが、さすがにこのグライダーはそのままではキツかったので、だいぶ直しました
ふにゃふにゃな形の修正、ディテールの修正だけで、かなりの労力が必要、ゴブリン本体よりも、グライダーの修正のほうが時間かかったぐらいです

でも繰り返しますけど
完成したときの雰囲気はサイコーです


あと毎度、こういうシリーズ物の「2個目」を作ったときに思うのは
ああ、一個目作ったときに、同時にこの部分は作っとくんだった
とか
ああ、一個目作ったときの調色を残しとくんだった
ですね、共通の部分があるので、あとで合わせるのに困るという。学習しません(笑)

前述のとおり、スパイダーマンとベースになるビルのワシの彫刻?みたいな部分ですかね、共通パーツなんですけど、スパイダーマン作ってからずいぶん経つんで、どう塗ったかさっぱり忘れました。
並べて飾るものなので、あまり違ってもおかしいから、必死でスパイダーマンのベースに近づける努力をしました。
苦労の甲斐あって、割と同時に作ったといっても通用するぐらいに見えると思います。
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▲昔作ったスパイダーマンとツーショット。数年あけて作ったとは思えないぐらい、努力の甲斐あって台座の感じは似てると思うがどうか?

塗装に関してはコミックだとケバケバですので、どこまで派手にするか、どこまで地味にするか、悩みどころです。
色はコミックのままにしつつ、スパイダーマンと並べる都合もあるので、違和感ない程度のケバさで、ちょっとだけ渋みを入れた感じで抑えめの感じにしました。
抑えめの紫とか緑って割と難しいですけど(笑)
なんか写真だと割とつやっぽくケバく見えますが、実物はもっとつや消しで落ち着いな感じです。
Adobe Lightroomでバッチ補正してんだけど、どうもいつも使ってる設定がプチミスってるせいか、色味がおかしくなることがありますな。

グライダーの色が謎な部分で、コミックだと金銀はそのまま出ませんからベージュみたいな微妙な感じで本当は何色を意図してんのかなーと??
最初はカッパーで塗装してみたんですが、イマイチしっくりこなかったので、全部落として、グレーっぽいシルバーで塗り直しました、疲れた。

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▲鞄の浮いてる感じとか、浮遊感あっていい。でもベルトだけでパーツを支えることになるので、うっかりするとポッキリいきやすい。

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▲噴射煙も立体で再現。最近はバンダイなんかもエフェクトパーツをクリアでつけてきてますが、こういうの元祖はやっぱオーロラだよね。

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というわけで、うろこバリバリなので、メチャクチャドライブラシの甲斐があるキットです。
先日の定期検査でもガンの再発は見られなかったので、これにて復活宣言とさせて頂きます。










NENGA

なんとまぁ、気づくと数年も更新してなかったこのブログですが、一応、まだ生きてます(笑)

ずっと止まっていたモデリングですが、ここ数年、全く何もしてなかったわけではなくて、ほんの少しずつは模型をいじっていたのですが、ま、ほぼいじる時間がなかったのが実際です。

本当に少しずつですが、いじる余裕ができてきたので、今年は少しでも作っていきたい、と希望してますが、そのへんは後述の事情に左右されるので不定です。

とりあえず、まだ掲載はしてませんが、これまであれこれ、目移りしつつ平行していじり倒してきていた模型を、とっとと仕上げてしまおう、ということで、昨年末あたりから、ちょくちょく完成品作ってます。


で、本家のブログを読んで頂いている方は事情が分かってるでしょうが、これまでの経緯を列記しますと、まず、2020年、家庭の事情で突然、実家の近くに引っ越すことになりまして、家を探しまくる作業や契約、中古なんでリフォームのことやら、引越の作業やらで半年ぐらいかかったのかな、その間、模型どころじゃなかったです。

2021年の春に引越後、一応、水回りなんかは自分では無理なので業者を使ってリフォームもしてるんですが、出来るところは自分でやる、という主義で、もう半分建築みたいな作業をやってまして、まあ、言うなればコレも
巨大モデリング(笑)
ですよね
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△巨大モデリングの一環、坪庭。お風呂の窓の外。ジオラマテクニックが存分に発揮されている、かな? スタイロフォームを削り出してセメントを塗って岩を作ってる。 むろん塗装はドライブラシだ!


ガレージの塗り直し、家の塀のサイディングの張り替え、勝手口の外にある古い波板の屋根壊してセメント打ちしてウッドデッキ作ったり、トイレの壁DIYしたり、自分の部屋は好き放題に壁紙張って木を張ったり押し入れぶち抜いて秘密基地化したり間接照明仕込んだり、和室を和モダンに改造したり、気に入らないとこや補修したところを塗り直したり・・・・まー、とにかく、ありとあらゆる部分をDIYで作業していて、当初の計画だったその改修作業が、ようやく、だいたいのところで落ち着いてきたのが最近です

で、その途中で更なる波乱があり、2021年末に猫とフェレットがたてつづけに死に(なんとフェレは大晦日、死にゆくところを見守る年越しでした)、気落ちしていたところに、年明けに追い打ちで、とある理由で病院にかかったところ
あんた、これ、末期の大腸がんだよ、すぐ入院しないと死ぬよ
と言われまして、その日のうちに入院したのが 2022年の頭(T^T)

希望の病院への転院とか色々あって、約一ヶ月入院、1月末に大腸を切除する手術をしまして、4月には転移した肝臓を切除する手術をしました。
一応、がんの患部は全部取れて、その後は、5月から予防措置としての抗がん剤の投与が始まりまして、これが約6ヶ月連続投与なんですが、途中で期間延長したりなんやかやで11月まで。

 抗がん剤にも色々あって、私のやつは世間のイメージのように毛が抜けたりはしないんですが、末端過敏とか倦怠感とか手足のしびれとか色々あって、特にだるさがハンパなく、同時に気力も失せるもので、半日動いたらもうダウン、みたいな感じでした。
歩くときは足がしんどいので杖ついてます。
この副作用は、薬をやめたらすぐ治るわけではなく、早くても数年、長いとずーっと続くそうです。

更なる追い打ちが、この抗がん剤の副作用でしんどくでやっとこさ生きてる状態なのに、夏に父が急逝しまして、更に精神的なダメージが加算されて気力が失せて。

冒頭の画像の「喪中」はそういうわけです。

父は97歳だったので大往生なんですよ、なんですけど、頭もしっかりしてて全然ぼけてなくて、周囲にも、こりゃ100歳までいくなぁと思われていて、3日前には普通に会話してたのに突然だったんで、かなりショックで。

おまけに、母も老齢で難しいことさっぱりですから、死後の手続きやらを、しんどい体にむち打って、あちこち駆けずり回ってやっていたので、二重にしんどかったという。
まー、本当に、人が一人死ぬというのは大変なことですね。  


と、まあ、そんな事情だったので、ここ数年、ほとんど、模型なんか作ってる余裕はなかったんです、物理的にも、精神的にも。


そして、だいたい死後の手続きも終わり、年末には200枚の喪中はがきを作り終え、お墓の移転なんかもやってたんですがその面倒な作業も終わりまして、一段落感がでてきました。

家のリフォームもようやくだいたい予定してたことは大きな作業は終わり、あとは庭に池作るだけです<コレは余計なプロジェクト(笑)ですが、一年計画です。

また、病気のほうも抗がん剤の終了で終わり、夏と年末の定期検査でとりあえず今のところ転移は見られない、という結果が出たので、やっと数ヶ月は病院行かなくてよくなりまして、定期的な病院通いから解放され、すばらしい開放感を味わってるところです。

とまあ、ようやく、数々のことが一段落しつつあり、気力はなくダルいものの、少しずつ余裕を取り戻しているので、今年は模型を作っていきたい所存です。

前述の「後述の事情」ってのは、要するに次の定期検査でまた転移が発見されたら模型どころではない、っていうことですね。


さあ、今年は頑張って生き延びるぞー!w

さて、前回、事情を書いてから、また間があいちゃいましたね(笑)
ちょっと、本業のほうが忙しかったりして。

ま、そんなわけで、年初来、いろんな不都合が重なっていたんですが、とにかくちょっとずつ進めようと、タンク塗ったりしてたんですがね。なんだかんだで、実はちょくちょく進んでます。

んで、以前にも書きましたが、なぜかもう、判で押したように、ガソリンタンクが落ちて割れる、修復を繰り返していたわけですが、それ以外も難関として
なぜか塗装がいつもひび割れる。
厚吹きするとひび割れるのは知ってますが、どうもそーいう現象ではない。
そのたびにペーパーかけて、はがしてやり直して、と繰り返してましたが、まあ、最終的にたどりついた結論として、おそらく、改造に使ったパテとかなんやらが、古いんで劣化してそんな現象が起きてたんだろうと。

次の難関が、最近まで気づいてなかったんですが、飛葉のバイクはマーキングは普通のCBと同じだから、付属のデカールが使える、とずっと思い込んでたんですよ。
で、いざデカール貼る段階になって気づいたんですが(笑)、よく考えると飛葉のCBってマーキングが標準の黒と違って赤なんですよね。
なわけで、今更ながら違うことに気づいて自作しなきゃならんのですが、某アルプス電気のプリンタほどいいデカールはできる環境がウチにはない。
(すんごいどうでもいい話題ですが、ウチの兄貴は昔アルプス電気に勤めてまして、時期的にはあのプリンタあたりの開発に関わってる感じです)。

んで、まず、PhotoShopでデータ作って、インクジェットプリンタで作れるデカールを作ってみたんですが、何度作っても失敗する。
インクジェットプリンタで作るデカールは、サイズが小さいと大した問題はなく、ワイルドの水牛マークなんかはすぐに出来たんですがね。

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▲というわけで、レッグガード?の完成型。前々回掲載したデータから作ったデカールがコレ。このぐらいの形状だと、一発OKになったけど、タンクのラインはもの凄く苦労した。最近面倒なので写真をスマホで撮っているので、雑なのはすまんです。スマホはどうも赤が実物よりピンク?っぽくなる傾向があり、ホントはちゃんと赤い。

細長いと貼る段階でインクが流れ出したりヨレたりと、なかなかうまくいかない。
そのくせものすごくガッチリくっつくし、溶けたインクが塗装面に食いつくので、素直にデカールだけハガれない。
そのたびに剥がすのにペーパーかけて、塗装しなおして、クリア吹き直して、の繰り返しですわ。
もうね、スプレー使ってましたけど、あんまり塗り直すもんで塗料が切れちゃって、いざアマゾンで買おうとしたら在庫切れで、困り果てて混色した経緯すらあります(笑)

困ってしまって、インクジェットプリンタで作れるデカールを透明デカールに貼って使う、とか色んな方法を試行錯誤して試したんですが、どうやってもうまくいかず。
結局、ひたすらインクジェットプリンタを繰り返して、繰り返すうちに、「印刷できるデカール」特有の癖が分かってきたんで、最後は、なんとか見られる程度にはできました、ちょっと微妙にヨレてますけど、遠目には言われないと気づかないと思うんで、さすがに限界きたので、これで妥協。
たぶんマーキングだけで20回はやり直したと思います。デカールがストックなくなって買い直しましたしW

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▲なわけで、ギリギリ許容範囲で出来たデカール。後述するが、これはウエザリングの途中段階。上の写真では通信機がむきだして、下の写真では蓋がついてる。

普通デカールはできるだけ余白を切って貼るほうが余白が目立たないのでそうしますが、印刷できるデカールは、それをやると縁からインクが溶け出すので、余白を残すほうがいいみたいでした。
よく見たら、説明の紙に「余白を取れ」みたいなことが書いてましたのが(笑)、理由はそういうことだったんですね。
普通の模型のデカールに慣れていると、案外気づかない盲点ということで(笑)、それに気づくまで何度もやり直しました。

とにかく、タンクは、あとちょっとで完成、という段階で、全部おじゃんになって、ほぼ一から削ってやり直し、という作業を、全体では30越えて、おそらく40回近くやり直したんじゃないかと。
よく挫折しなかったもんで、ここまでくると、もはや執念です。

なわけで、何もしてなかったわけでもなく、その繰り返しに時間を食っていたわけです。
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▲通信機の蓋はあく。ピンぼけごめん。ここもタンクはウエザリングの途中。通信機は望月先生固有のいいかげんさおおらかさで、通信機は誌面に出るたびに形も位置も異なるが、今回の基本は『谷間のユリは鐘に散る』に出てきたものをマネている。最も最初期に作った部分だけど、いざ組み上げたら合わなくなったので、再度パーツを作り直してる。ぼけてるんで分かりにくいが通信機のメッシュはエッチング。


話が写真と前後しますが、ここから重要な話題です。
私が、実車改造の飛葉仕様ナナハンやいくつかの模型などを見て、常に不満に感じていたことがあります。
それは、形とかはともかくとして、
綺麗すぎる
っていうことなんです。
あ、実車は自分で乗るんだから、綺麗にしたいのはしょうがないですが(笑) 私にとって、ワイルドのバイクのイメージは、酷使される戦闘車両なんですよね。
望月先生もAFV好きですから、イラストでもドロ汚れがつきまくっているような絵が多かったんで、余計にそんなイメージが当時小学生だった私にはすり込まれています。
なので、これは30年以上前にワイルドのバイクを作りたいと思っていたときから一貫して考えていたことで
絶対に譲れない最大のポイント
なんですが、とにかく
一般のバイク模型のように、キレイキレイにはしたくない
という。
で、最初から作るときに思っていたのは
一番の難関は形状でもバランスでもなく、ウエザリングではないか
と。というのは、バイク模型って、普通は新車的な綺麗な仕上げがポピュラーですから、汚しすぎると単に「汚い」模型に見えてしまいそうです。
だから、そのへんの適度のバランスが、ものすごく難しそうだなぁ、と思ってました。

ネットを見てると、すんごい上手に『古いバイク』の表現で、見事な大量の汚れを入れておられる方もいますが、あれこそノウハウが必要で、普段からバイク作ってないと出来そうにないし、私にはそんなノウハウないですしね、凄いと思うんですけど、今回は、また目的がそれとは違うんですよね。
っていうのは、普通の実車のバイクってのは、使えば汚れていく、たまに綺麗にしよう掃除する、その繰り返して汚れていく結果が実車の汚れなわけですよ。
でも、なんせワイルドの場合は
ジャングルの中走ってみたり水上装甲してみたり銃弾バンバン撃たれてみたり材木の上走ってみたり
などという、普通のバイクでは絶対にない使われ方をした結果の汚れなわけで、まず現実にはありえませんから、そんなん資料もないわけですよ(笑)
ま、あえて資料にするなら、たぶん一番近いのは第二次大戦の軍用バイクですよね。

んで、当初は、ダメージ表現(銃弾が当たった跡とか)とかまでゴリゴリとやったぐらい、汚れを派手にしようかなぁと思っていたんですが、おそらく、バイク模型をそこまでウエザリングすると、なんか単に汚い感じに見えそうな予感がしたんで、メンテしてパーツ交換した直後なんで割と新品に近いけどちょっと使い込んでる感じ、ぐらいな
プチ汚れ(笑)感程度
にしとくのが妥当かな、と。

なわけで、このへんまでくると、パーツを組むまでに汚しておかないと、後から汚すと難しい部分もありますから、ウエザリングしつつ様子を見て、ちょっとずつ組んでいく形になります。

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▲仮組み中の写真。最終的なウエザリングはまだだけど、一般的な『焼け』表現を入れた状態。オレンジやブルーのクリアを吹いている。ただし、今のバイク模型はこうだが、おそらくCB750の時代にはマフラーの素材が違うので実際はこういう今風の焼けはならなかったと思う。

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▲ピンぼけごめん。埃つきまくりだった。動物の抜け毛の季節なので、結構ツライ。漫画のナンバープレートはたいてい絵では文字は空白、たまに番号が描いてあるのもあるので、番号をそれにしようかとも思ったんだけど、結局は空白のプレートを作った。一度はキットのパーツの文字を削ったんだけど、自作したほうが早かったんで最後はスクラッチした。

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▲エンジンまわり、ちょいピンぼけですまんす。なるべく、使い込まれた感を出すように、ここは派手気味に。エンジンて入り組んでるから掃除しにくいんで、汚れ溜まるんだよね。途中までウエザリング中。
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▲以前のエンジン写真と比べて欲しい。

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▲後部のサスペンション部分のバーニア。ウエザリング中。サス自体には金属パーツが付属してるんで、どうしても質感の違いが出てしまうが、まあよしとしたい。前回までの製作記にも書いたけど、バーニアのサイズはかなり何度もバランス見て作り直してる。

なわけで、苦労しつつ、次回に続きます(笑)

ずいぶんと間があきましたが、ぼちぼちブログを再更新していこうと思ったので、そのための前振りを(笑)

最近更新してなかった理由は、今年に入って、また精神的にしんどくなったのがひとつ。
正月、わざわざ年賀状のためにハムスター造型して、他に持ってるブログには載せてるのに、一番関係するこの模型ブログにその記事を載せる気力さえなかったという(笑)

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▲というわけで遅ればせながらコレがそのハムスター。年賀状の写真を撮るためにフルスクラッチで作った。3Dプリンターで作って塗装。
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▲これは年賀状の合成素材用に、ブルーバックで抜くために撮ってる。家族全員で共用する年賀状なので、カワイラシイ系な感じにまとめてるのである(笑)

とはいえ、もー、この
定期無気力(笑)はここ数年、毎度のことなんで
それだけならまだギリギリ、ちまちまと何か作ったりはするんですが、年初からしばらく、進まなかった理由の第二が、正月からこっち、痛風になったことです(笑)
なぜか、私、元旦に痛風になるのが決まりごとのようになってまして、昨年も元旦に発症。
今年も同じく、元旦に痛風発作。

風が吹いても痛い、と書いて痛風とはよく言ったもんで、痛風になると、もう、日々、痛みに耐えるだけで精一杯、精神がゴリゴリ削れる感じなので、模型どころではありませんでした。
さすがに今年は懲りたので、ずーっと治療してます、いまだに痛風の薬を毎日飲んでます。

で、それはそれで、発作も治まったんですが、またそれとは別に、腕の靱帯がものすごく痛くなってしまいまして。
とにかく、コレが、強烈に痛いんです。
どのぐらいかというと、水の入ったコップを持ち上げるのが困難なぐらいの痛みです。
あまりに痛くて生活がままならないので、医者に行ったら
「ああ、アレね」みたいな感じで当たり前のように言われた
ので、割と歳食うとある病気みたいです。歳で靱帯が硬くなって関節にすれて痛いみたいな感じです。

んで、そうなると、痛くて模型どころではない、というのもあるんですが、お分かりのとおり
模型は手を使う作業なので、腕の靱帯が痛いと、それどころじゃない
わけですよ(笑)
とにかく、痛みは我慢しても、基本
手先のホールド力がない
わけですから、模型の作業なんかできないんです。

もうね、手にパーツもって何かしようと思うと、これが
面白いようにポロポロ落ちるという(笑)

実はそれでも無理してCB750のキット作ったりしてたんですが、もう、以前からアホみたいに落としては割れ、落としては割れ、を繰り返して修復を繰り返していたガソリンタンクが、またしてもボロボロ落としまして、そのたびにやり直し、という、本当に無意味な作業を繰り返してました。
落としたせいだけじゃないんですが、そのへん詳しくはまた今度書くとして、このパーツ、マジで最低20回は一からやり直してますからね、馬鹿みたいです。

んなわけで、この腕の問題のほうは、痛風とは違って即効性みたいな薬はないので、楽になるまでは、サポーターつけたりして、ひたすら痛みがひいてくるまで、我慢の子だったんです。
ま、そんな中でも、少しずつは色々触っていたので、全く何もしていなかったわけでもないんですが、とにかく痛くてしんどいんで、作業を進めるだけで精一杯で、ブログの更新までは手が回らなかった、というわけです。
が、最近になって、ようやくだいぶ楽になってきたので、ぼちぼち更新を再開しようかな、と思った次第です。

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