銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

拍子抜けですが、製作記事じゃないんです
けど、ちょっと紹介したくなって。
そのうち続きの製作記事を書きたいです。

イーグル・トランスポーターは、ご存じ「サンダーバード」の生みの親、ジェリー・アンダーソンが製作したライブアクションドラマ「スペース1999」に登場する、特撮史上屈指のデザインの宇宙船です。

おそらく、実際にあるコンテナヘリに着想を得たんではないかと思われるんですが、パーツを換装して様々な目的に対応できる、という発想は当時、実に素晴らしかったですね。
最も、ドラマ内では、いろんなタイプの機体が登場するので、そういう風に見える、というだけで、明確に「パーツを変えられる」という説明はなかったような気がしますが、違うかもしれません。

どうも、SF設定的な意味合よりも、パーツごとに交換できるようなデザインにしておけば、破損の修復やダメージ表現など、いろんな撮影時の作業が楽になる、という必要性から、デザインされているようです。
このあたりは、サンダーバード2号の苦労なんかの長年の教訓が集約されてるんでしょうね(サンダーバード2号は頭が重すぎて操演しにくくよく頭から落ちたり、コンテナのないタイプは真ん中がボキボキ折れて頭から落ちたそうです。補修を重ねているので、同じプロップでも形がどんどん変わっているのです)

さて、そのイーグルですが、MPCがプラモを出していまして、これが昨年、再販されたので、買おうかどうしようか、ずーーーーーーーーーーっと悩んでたんですよ。
なんで悩むのかというと、とにかくこのキット、当時の再販ですから、デキが悪いのを知ってるんですよ
なんせ「あの」MPCですからね。
それが6~7千円するので、高すぎるから、買うのを躊躇してたんです。

そんなこんなで、ずーっと躊躇しているうちに2016年になりまして、でも、気になるキットなんで、時々ネットで見ちゃうわけですよ。
そしたら、なんかおかしいんです
あのデキが悪いキットとは、似ても似つかないスマートなキットの写真が検索で出てくる。
はて??
と調べてみたら
1/48 EAGLE TRANSPOTER
というのがアナウンスされているじゃないですか

今時、完全新金型ですよ!!

1/48となれば、22インチですよセンチにしたら55センチ以上です。
スタジオモデルサイズですよ、でかいよ!!!


もっとも、これの元になってる撮影用モデルは、1メートルモデルだそうなので、これでも半分に縮小ですが。
90センチある、メビウスモデルの1/128 シービュー号にはかないませんが、なかなかのデカさです。
あ、そうそう、余談ですが、1/128 シービュー号も金型修復後の再販が出たので、買ってしまいました、でっかいほうのフライングサブも。


MPCといえば、どっちかというとモデラーには
ぞんざいなディテール、隙間の空きまくるパーツ、アバウツな形

信頼のおけないメーカー
とカテゴライズされていると思いますが、そのMPCがナニをとち狂ったのか、はたまた、マニア化する一方のモデル業界で生き残るには、マニア好みに対応することが必須とようやく悟ったのか
マニアの協力をあおいで、撮影用プロップを徹底再現した
という、MPCらしからぬ異様な懲りようです。

うわ、欲しい!!!
と、うっかり、予約注文しちゃいましたよ
でかいですからね、ええ、高いです
6~7千円だと手が出ないのに、1万4千円だと買ってしまうという、この不思議なスタンス。
いやそらもう、あのデキの悪い旧キットが6~7千円で、新金型のバカでかいのが倍の値段なら、こっちでしょ。
脳が「イーグル欲しい欲しい欲しい」になってるところに、こんなもん見せられたら、うっかりポチってしまうってもんです。
古いキット買わないで我慢してて良かった~、と思いますが、買った人は怒ってんじゃないか? 新金型で出すんなら、再販すんなよ! と。

で、ようやく、その予約商品が発売になって届きました。

その懲りようだるや
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▲箱でけえ!!
いや、でかさと懲りようは関係ないですね(笑)
対比物がないので、わかんないですね、60センチぐらあります。

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▲箱をあけるとパーツがぎっしり。
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▲トラス部分は前後分割で収められてますので、組み上げるとでかいです。


実はイーグル、今でもスタジオモデルが現存してまして、結構普通にネットで検索すれば見られますので、比較が簡単です

▲現存するモデルの動画

以下はメーカーの試作品の画像ですが、実に見事にプロップを再現していると思います。

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着陸脚は、スプリングで可動します。
試作は窓が埋まってますが、もちろん、コクピットも再現されてます。
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最初見たときは、「何コレ、ぞんざいなパイロット。壁に棒でくっついているし、シートないし」と一瞬思って「やっぱMPCだな」と思ったんですが、よく考えると、コレ、わざとなんですよ
元の、イーグルのスタジオモデルが、こういう作りなんですよ
パイロットの人形が、椅子に座らず、背中で壁にくっついてるんです
イーグルの窓は狭いんで、ほとんどパイロットが見えませんから、こういう作りだったんだと思います。
撮影モデルは下半身は無かったと思いますが、基本、プロップの再現なんですよね、なるほど徹底再現だ、凄い

ところで、なんでコレを紹介したくなったかというと、こういう、昔のSF特撮プロップを作る楽しみというか、楽しさのひとつに
撮影用モデルがどう作られたか、パーツを見てると色々発見があって面白い
ことだと思うんですよ
「宇宙空母ギャラクティカ」だとか「スターウォーズ」だとかのメカなんか、プラモのジャンクパーツの寄せ集めですからね。
プロップをきっちり模型で再現すればするほど、元になったプラモのパーツも、そのまま再現されるわけですから、面白い(笑)
バンダイのSWシリーズも面白いですね、見覚えのあるパーツがゴロゴロ。
SWは結構、ハッキリと「劇中での機能が分かるパーツ」にそのまま流用パーツを使ってますから、大胆ですね。
特に、あの当時、日本、主に「タミヤ」の模型は、群を抜いてレベルが高かったので、海外のプロップに非常に頻繁にパーツが使われているから日本人が見ると面白いです。

でもって、このイーグルも結構露骨なところがありまして
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はい、アポロ月着陸船ですね、まんまです、まんま貼り付いてます(笑)
おそらく、コレは大きさからして、元はレベルの司令船とセットになっているキットだと思います。

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これはスケールからして、タミヤの1/35だと思います、タイガー戦車の後部パーツそのまんまですね。

まだまだありますが、今回はこのへんで。
早くキット制作記事を書きたいな。

最近、模型作って無いわけでもないんですが、地味な作業が続いてるので、あんまりブログを更新するほど見せることがありません。
そんなわけで、穴埋めに番外編。

ずっと本家ブログで書いてますが私の「無人島マンガ」のほぼトップは、望月三起也先生の
ワイルド7
です。
ワイルドのバイクをいつか作ろうと、キットだけは探して集めてるんですけどね
いずれ88ミリ砲搭載のセブンレーラーも作りたいと、希望だけはあるんですがね。

望月三起也先生、「いいかげん」なことで知られてますが、公式ファンサイトの月刊 望月三起也に「単行本によって微妙にワイルド7のエンブレムが違いますが、どれが正解なんですか?」と聞いたら「そんなにあるんだ?」と先生から返ってきた、という話が載ってました(笑)
じゃあ、この機会に公式エンブレムを作ってしまおう、ということで、40数年経って、ようやく公式エンブレムが出来たそうです(笑)
という記事を読んで、せっかく公式エンブレムが掲載されているんだからと
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その画像を拝借して、PCのカッティングプロッタでカッティングシートを切って、公式エンブレム作ってみました。
皺が寄ってるのは、貼付用の仮透明シートをテキトーに表に貼ったせいで、別に失敗じゃないですよ(笑)
車は黒なので、赤の面の顔とツノを切りヌクと黒くなってしまいます。
そこで、赤いシートと白いシートを2枚カットして、顔とツノは白いカッティングシートを赤にハメ込んでます。
コンピューター制御でカッティングしますので何枚でも正確に切り抜けますから、ピッタリ合うんですよね。

むろん、コレは愛車に貼る用です。

これ、ネタに出したのは、穴埋めの意味もあるんですが、手持ちのプロッタが0.3ミリぐらいのプラ板までなら切り抜けるので、工夫次第で模型にも使えるからです。
薄い板しか切れませんが、積層すれば形も出せるはずですね
もっとも、このプロッタを買ってからだいぶ年数が経ってしまい、今では3Dプリンタなるものが普通に買えますので、あんまり無理にプロッタ使って立体を作る意味はなさそうです。


2016年一発目の模型は
お手抜きモデリングシリーズ(笑)
の、バンダイ 1/72 タイファイターです

ところで、厳密に測ったわけじゃないんですけど、このシリーズ、1/72って言う割に、フィギュアがでかいような気がするんですけど、気のせいかもしれませんw

X-WINGを作ったときに、
流れるデススターのトレンチ簡易ベース
を作ったのですが、タイファイターとベイダー様用タイファイターの3機を入れる前提で横長に作ってしまったので、いつまでもスカスカでは寂しい、ということで、作ってみました。

あ、ちなみに「スターウォーズ フォースの覚醒」はまだ見てません、DVD出たら見ますw

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▲コレがX-WINGのときに作ったベース。

前回のX-WINGの記事はこちらです。

さて、このシリーズは、あまり一生懸命作らないで、フルには塗装しないで簡単に
ガンプラ素組みモデリング的に仕上げる
という前提で、気楽に作ってますので、今回も
お気楽極楽モデリングです。

▼まずは完成品▼

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▲せっかくなので、PhotoShopで支持棒を消して、背景を延長合成、フィルム風に若干画質調整してみました。私、コレでも、PC雑誌で飽きるほど画像処理講座を連載してたことがありますから、これが実力ってわけじゃないですよ(笑) お手抜き合成なので、面倒くさいレタッチや細部処理はしてないだけです、適当です。


このタイファイター、なんつーか、他のキットに比べて、パーツ構成が実にシンプルなキットですね
パネル以外、基本的にプロップ自体がほとんど全部グレーなので、塗り分けすべき場所も少ないです
ありがたいことにパイロットまでご丁寧に黒づくめですから(笑)、塗り分けなくてもいいので、非常に短時間で簡単に作れますので、ブログで何回も引っ張るのはやめます。
まあ、暇がなかったんで、結構、ちまちま作って、製作時間というか、「期間」が、かかってるんですけどね(笑)

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▲正直、このキットのパイロットのデキはX-WINGに比べるとあんまり良くないと思います。X-WINGを既に組み上げてしまったので定かではないのですが、X-WINGのパイロットはスライド金型なんじゃないかと思うのですが、コレは単純な前後金型ですので、手なんかただの棒です。でも、組み上げるとほとんど見えなくなるので、気にしなければ問題なしです。


ただ、全体がグレーなぶん、そのままだとのっぺりしすぎて
いかにも素組みっプラのままっ!!
って印象になりますね。
ディテールびっしりで凹凸が多いんで、スミ入れするだけでも、かなりメリハリが出て良くなるとは思いますが、要所要所のポイントだけちょっと塗装してやると、俄然メリハリが効いて、雰囲気が良くなると思います。

ところで、このキット、モールドをじーっと眺めていると、まあ
あるわあるわ、どこかで見覚えのあるパーツが目白押しで面白いですねぇw
プロップが、日本のプラモデルで作られてるのがよく分かります
所々、いかにも作ったディテールっぽいんですが、よく見ると単にぞんざいにプラモのパーツを貼付ただけってところがあって、笑えますね
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▲すんごい細かいモールドがびっしり。実に完成度の高いキットですね。この部分だけで、昔子供の頃タミヤのキットを作ってたプラモ少年なら、パーツ当てクイズができるレベルです(笑) 
タイ・アドバンスドの黒いパネルとグレーのフレームの一体整形は「やりすぎ」だと思ったのですが、このキットは別パーツになってますので、組みやすいです。


さて、前回、X-WINGのときには、はじめてのSWシリーズで、しかも、素組みしてガンダムマーカーで仕上げる、みたいなモデリングが初めてだったものですから、ガンダムマーカーがラッカー塗料を溶かすとか知らなかったり、色々と大きな失敗をしました。

今回は、その教訓を生かしていきましょう。

まず、このシリーズを作ってみて分かったのは、入り組んでいる場所が多いので、後から汚しを入れるのは難しい、ということで、手間はかかりますが組み立てながら逐一汚しを入れていきます。

今回は、これまでの悲しい教訓で、MGガンダム同様、SWシリーズも、エナメル塗料で割れるプラだと分かったので、ラッカー塗料をしょぼしょぼに溶いて、スミ入れしてやりました。
基本、今回は、スミ入れしてから、タミヤのウエザリングパステルなどで黒いスス汚しを入れ、明るいグレーのドライブラシで凹凸のメリハリをつけて、つや消しスプレーを吹くようにしました。

X-WINGのときは、本当に「手探り」状態だったので、かなり失敗しましたが、今回はアレに比べると、さすがに教訓が生きて、割といい感じに仕上がったと思います。
完成写真だけパッと見ると
全体を塗装しました
と言っても分からないレベルじゃないでしょうか。

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▲太陽電池パネル?は、そのままだとすごく単調なので、どう汚しを入れたものか、色々悩みました。
上はキットのまま、下は汚しを入れてみたところ。
こんな風に、一度茶系で汚しを入れてみましたが、イマイチなので、全部洗い落としました。

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▲たぶん、最終の完成品では、写真を見ても分からないと思うんですが、結局、シルバー系の塗料をパネルの溝にスミ入れしてます。普通のシルバー系の塗料は粒子が荒いので、薄く溶いて流すと、キラキラ粒子が残ったようになります。これにより、キットの黒いまんまの、いかにもプラっぽい板から、金属的に光って見えて、一見金属っぽい感じの板になりました。

しかし、このパネル、困ったことがひとつ。
それは「モールドがきっちり細かすぎること」ですw
なにもここまでせんでもいいんではないかと思うぐらいに精細です。

まず、あまりにきっちりした細い溝がびっしり入っているもので、ちょっと硬い物をぶつけるとすぐに跡がつくのも欠点なのですw
実際、凹み作るのをやらかしましたが、それがベースに取り付けたとき、目立つ手前側のパネルだったんですよね
パネル取り付け部はほぞの形が違って左右取り替えられないようになっているので、ほぞを切り落として、左右入れ替えて接着しました。
そして、更なる問題は、
写真のように、やたらと溝に埃をくわえ込むんですよね(笑)

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▲本体に関しては、ほとんど、合わせ目が出ないように設計されていますが、胴体の前後は貼り合わせになりますので、思いっ切りアーム?の真ん中に合わせ目が出ます。
ここは、丁寧にペーパーで磨いて消してやります。

ボディのパネルの色が違うところや、窓枠などにもデカールがついてますが、正直、このシリーズ
スゴイというか、親切というか、そういう「ウリの部分」をアピールするためだけに、無理にデカールをつけている
という面が一部にある印象は否めません。

どう考えても、こんな凹凸だらけの場所にデカールなんか綺麗に貼れるわけないじゃん!
、というような部分も、全部デカールになっています

おそらく、コレがまともに貼れる人は千人に一人
だと思います(笑)ので、ぶっちゃけ
そんな絶対に貼れっこない場所のデカールは無駄なだけなのでいらないと思いますw

なので、そういう面倒な場所は、諦めて塗装してやりました

窓に関しては、X-wingはガラスをつけましたが、今回はフレームだけのパーツを選択しました。
ただでさえ窓が狭くて中が見えにくいので、透明パーツをはめると、ほとんど中が見えなくなって悲しいからです。
というのがタテマエの理由で、実際は、上部の窓が窓枠まで透明パーツになっており、窓枠を塗らないといけないのですが、その窓枠がボディと同一色なので、色調をあわせるのが困難…というか、面倒臭かったからですw

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▲コクピットに鎮座しているパイロットは、ほとんど見えなくなります。分かりにくいですが、パイロットにもデカールが貼ってあるし、壁にも貼ってあります。
一部壁のディテールもシルバーなどで塗り分けてますが、まあ、見えなくなりますね(T.T)



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▲組みながら、スミ入れしていきます。スミ入れするとぐっとディテールが引き立つので、素組みでもスミ入れだけはやったほうがいいです。ドライブラシを加えると更に良し。

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▲ご覧のようにコクピットはほとんど見えなくなります。窓枠やレーザー口、機体の凸モールドなどは筆塗りで塗装してあります。自画自賛ですがウエザリングの入り具合がいい感じになりました。

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▲全体に、スミ入れをしたあとで、ウエザリングパステルでシャドウを入れて、ドライブラシでハイライトを入れてます。ウエザリングパステルを塗りつけるのは、どうしても汚れがおおざっぱになるので、一度入れたあとで、製図用の細い消しゴムや綿棒で落として整えてます。

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▲前回作ったベースの後ろのほうに配置してやりました。

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▲X-WINGさんと合わせてみると、こんな感じです。中間に将来的にダースベイダーのタイファイターが来る予定です。かなり狭っ苦しい感じのベースなんで、本当はもっと大きくしたいんですけど、住宅事情があるので、そうもいきませんw

さて、というわけで、一応タイファイターは終わりです。
いったい、ベイター専用機は、いつになったら完成するのでしょうか(笑)

みなさま、あけましておめでとうございます

昨年は、どうしても暇がなくて、あんまりまともに模型も作れませんでしたが、今年はもうちょっと作りたいなぁ、と希望する今日この頃です、まあ無理だろうなぁ
昔と違い、一生懸命作っても金になるわけでもないので、そうそう優先的に時間を割いてられません、子供が小さいと、なかなか時間取れませんね。
頑張ります。


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おまけのダンボー。
コトブキヤのミニダンボープラモデルでやす。

ずっと前に、本家のHPにはいきさつを載せてますが、MGガンダムと同じでウォッシングしたらバキバキに壊れたり、エナメルシンナーで拭いているつもりが寝ぼけてラッカーシンナーで拭いて塗装がぐちゃぐちゃになったりと、悲劇を繰り返したキットですが、かろうじて復元して形を保ってます

またどうでもいい徒然なんですけど、ちょっと前回の話で思い出したことなんで、おつきあいください。

仕事じゃなく、純粋に趣味で模型を作るっていうのは、つまるところ
自己満足のため
じゃないですか
最初に断りしておきますが、コレは批判的な話とかそういうのじゃ全然ないので、誤解しないようにしてくださいね

模型作ってて、これだけディテールアップしました、とか、これだけ手を入れました、っていうのは、結局、なんでやるかっていうと、自己満足のためですよね
外国人は、チャレンジに対して
自己達成
という言葉をよく言いますが、これは「俺はこれだけ出来るんだ」「俺はここまでできる」っていう達成を証明するためであって、つまるところ自己満足に至るわけですよ

その「自己満足」が悪いとかそういう批判ではなく、逆に肯定的な話です。

模型を作る上で、絶対に必要なのが、その自己満足感なんですよね
あえて、誰も誉めてくれないのに、わざわざ、やたら七面倒くさい改造をする、なんでそんなしんどいことすんねん? といえば、その作業へのインセンティブ、原動力がどこにあるかっていうと、自己満足にあるわけです

今、「誰も誉めてくれない」と書きましたけれど、自己満足、っていうのは、完全に閉じた自分だけの世界なので、やはり自分一人だけの閉じた世界に閉じこもって作っていると、誰も見てくれないし誰も誉めてくれない、そういう世界に次第にしんどさを感じる人もいるわけです
そこで「賞賛」というものや、あるいはその逆の「こきおろし」や「他人の作品への羨望」などが、大きな原動力になってきたりもするわけです。
そうなると「他者に見せたい」「他者の賞賛が欲しい」という欲求が出てくるのは、自然なことですから、たとえばネットの模型サイトに投稿したり、サークルで模型を作って見せ合うとかいうのも、模型を作る上での原動力としてはとても大事なわけです
「こきおろし」や「他人の作品への羨望」というのは、たとえば悪く言われれば凹む人もいますけれど、「なにくそ、次はもっとスゴイものを作ってやる」とか、「アイツはスゴイから、あれを越える作品を作ってやる」「あんな作品が作りたい」なんてファイトを燃やす人もいるわけですから、やはり原動力になりうるわけです。

で、いったい何を言ってるのかというと、昔は、気軽に他人に作品を見せて賞賛してもらうことは出来なかったけれど、インターネット時代になって、素人でも手軽にそれが可能になった。
ネットで模型を公開できるようになったことは、趣味の模型にとっては、とても大きな進歩、とてもありがたいインセンティブをもたらしたということもあるんですけど、別に、この話題では、そこを賞賛したいわけではないのです(笑)、なんだ?w

言いたいことは、元々、私はその種の自己満足傾向が非常に弱い、ということなんですよ
これが、仕事で模型を作っていたときでも、結構悩みの種だったんです。
弱いというか、弱くなったと言い換えてもいいですが、たぶん中学高校ぐらいまでは、結構あったと思うんですが、年々弱まってきたんですよね
仕事であれば、その弱い部分を埋めるのが、仕事という事実そのものなんですよね
「これは仕事だから、ちゃんとやんなきゃいけない、きちんとやんないといけない」、そういう考えが原動力になるわけです。
ところが、それが趣味になると、仕事のようなインセンティブはありませんから、完全に自己満足の世界になってくる
そうなると、自己満足感が薄い性質が、かなり欠点として効いてきます。

もっかのところ、私の模型の悩みは、この部分なんですよね
なんとなく、漠然と「作りたい」という欲求はあるけれど、「そこまでする?」というほどの原動力が生まれない
「作りたい」に行動がついてこない
さりとて、一応は元プロですから、「このぐらいはやっとかないと駄目だろう」的な無駄なプライドというか・・・プライドでもないんですけど、線引きとでもいうか・・・・なまじ一度は仕事として長年経験したもんですから、もう、当たり前に
最低限、このぐらいはやっとかないと駄目だろう
みたいなのが無意識レベルからして根付いているせいで無駄な線引きが生まれてしまって、完全に自由に手抜きもできない感じになってしまう
本当は趣味なんだから、小学生の工作レベルでも誰も糾弾しないわけですから、別にそれでも構わないはずなんですけれど、それができない
けれども、徹底的に作り込むというほどの原動力もない

一度仕事を経験していて、一度、大きなブランクを開けたうえで、趣味の世界に戻ってくると、適当な着地点とでもいうか、落としどころとでもいうか、そのあたりが、自分の中で、いまだにはっきりしないんですよ

まー、純粋に感覚的な話をしてるんで、他の人には何を言ってるのか分からないかもしれませんけど、まあ、ロートルモデラーの愚痴ですかな、今年からスキーも「シニア割」だしね、ふがふが(笑)

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