銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

2015年07月

さて、X-Wingですが、暇なときを見つけて、ちまちま組んでます

前回も書いたように、基本、お気楽モデリングでいこうと。
素組みで無塗装、汚しだけ入れるパターンでいこうと思ってるんですが、なかなか、先に進みません
最低限、ハメ込むだけでいいとは言え、いざ作り始めると、案外、パーツ分割が目立つ部分が多いんですよね
そういうところは、接着して、ペーパーかけて、接合部を目立たないようにしてやります

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▲レーザー砲?の基部や、エンジン部分などの円柱パーツは、基本左右分割で、そのままでは合わせ目が出ますので、接着して、ペーパーを細かいのまでかけてなめらかにしてやりました。パーツが白いので、合わせ目はよく見るとそれなりに分かりますが、汚しを入れれば、そう目立たないでしょう。

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▲分かりにくいかもしれませんが、右が接着しただけ、左がペーパーかけてつるつるにしたところです。よく見ると、違いが分かり、加工後は、ほとんど合わせ目が目立たないと思います。

ここまでキットが凝っていて、ハメ込むだけで形になるのが徹底していると、こういう部分も、スライド金型でムクの一体成形にして欲しかった、と思うところですが、贅沢な要望かな。

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▲無塗装ですむところは、どんどん組み立てます

実際に組み始めると、案外、そのままでは限界が多いことに気付きます
ある程度は、デカールで塗装が再現できるようになっていますが、それも限界で、コクピットやエンジン周りなどは、プロップではガンメタルや黒っぽい塗装ですが、キットでは白いままです
作っていて思ったのは
これは、暗いグレーか黒のランナーを一枚入れて欲しかった
ということです

なんか、作って気付くのは、すごくハンパなんですよね
側面の赤いラインは赤いパーツで整形しているくせに、上面の黄色いラインは、黄色いパーツじゃなかったり。
コクピットやエンジンの内部、機体後部の部分、シートなど、黒に近い色の部分は結構あるので、その色で整形すれば、塗装しなくても済んだはずです。
せっかく成形色で色分けしてるんですから、やるんなら、ガンプラみたいに徹底して欲しかったところです


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▲仕方ないんで、シートなどは普通に塗装しました。

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▲付属のR2-D2、ちっちぇえ!!! これはさすがにデカールでは無理なので、頭部はあとで銀で塗装します。でも頭部と胴体の青い部分は、一応デカール付属してます。このスケールのこの形状にデカールを貼る苦労を考えたら、筆塗りのほうが手っ取り早いと思うけど(笑)

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▲キャノピーは、クリアパーツと、フレームのみのパーツの選択式です。これも後述する不満点のひとつなんですが、それはさておき、今回はクリアにしたかったので、まず、クリアパーツを塗ってみました。

これ、以前シービュー号の話で書いたことがあるんですが、映画の撮影用プロップの「窓」は、劇中で見ると窓に見えるけれど、実はガラスは無くてフレームだけのものが多いんです
なぜかというと、ブルーバック撮影で合成するので、ガラスを通して裏のブルーバックが見えると、あとで合成が汚くなってしまうからです。
そんなわけで、X-WINGのプロップにも、本来、窓枠にガラスはありません

今回ガラスにしたかったのは、飾っておくと
窓がないと、ごちゃごちゃしたコクピットに埃が入って、後々、掃除が大変だから(笑)
です
でも、なんだか、クリアパーツはフレームと一体成形なので、ダルいんですよね
で、やっぱりフレームを利用して、透明プラ板でガラスを追加することにしました

このフレームはスライド金型で良く出来るんですが、いかんせん、なんだか妙に厚ぼったくて、スケール感を著しくそいでいる感じです。
どうも気に入らないので、ガンガン内側を削って薄くしてやりました

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▲なんかこう、「お気楽モデリング」のコンセプトからどんどん離れて面倒になってきているけど、まあいいや、楽しいから(笑) 元のキットを知らないと分からないと思いますが、フレームにそった8角形の彫り込みみたいなところは、元にはありません、削り込んだとこです。


今回載せられるのはここまでです。


さて、ところで、今まで、バンダイのSWシリーズをベタ誉めしてきましたけれど、実は、非常に大きな不満があります。
致命的、と言ってもいいぐらい、駄目なところだと個人的には思います

それは何かというと
プロップの違いまで、パーツ選択で再現できる
という部分です
いや、そんな風に
やたらめったら、マニアック
なのはとても良いことなのですが、不満は
選択できるバーツに対して、このパーツは何なのか、全く説明が無い
という点です
俺ら、マニア度の薄い人間には、なにがどう違うのか、正直、さっぱり分かりません

いや、形の違いはむろんパーツを見比べれば分かりますが、そのパーツのどれが、何のプロップを再現しているのか、
果たして、コレはルークの機体と他のパイロットの機体の違いなのか
それとも、撮影用プロップのスケールの違いで形が違うのか
同じ機体が撮影中の補修で形が変わっているのか

などなど
そして、どっちのパーツがどうなのか
そういうことが、全然分からない、ということです

X-WINGなんか、極端で、細かいパーツ選択もそうですが、機体に載っているロボットが、R2-D2とR5-D4を選べるようになってますが、それが、どのロボットがどういう機体なのか、ってのだって、にわかファンには分かりませんよね?
エンジンのノズルも選択式で、一部違うってのも、昔、なんかで読んだことがあるような気がするけど、何がどうなんだか、今ではさっぱり分かりません

先に説明した、窓の話だって、説明なかったら、なんで窓枠だけのパーツが選択式で入っているのか、普通は分かりませんよね?

ま、端的に言って、たとえば、どうせ作るならルークの機体を作りたいわけですよね
さすがに俺もルークの機体にR2-D2が載ってることは分かりますが、それ以外は、どのパーツを選んだらルークの機体になるのか? が説明書読んでもさっぱり分からないんですよ、どうしていいか分からない、コレってすごい駄目ですよね

これが、ゴリゴリのマニア向けのキットであれば、説明がなくても良いとは思うんですよ?
でも、キットのコンセプトが、初心者にも優しい的なものですから、この説明のなさは、あまりにコンセプトと相反していて、バランスが悪いと思います。
それどころか、映画の設定だけしか書かれていなくて、撮影プロップに関する説明文自体、全く載っていないのは、かなり駄目だと思います
これだけマニアックであれば、プロップ解説をちゃんと載せてほしいところです

ぶっちゃけ、調べるのが面倒くさかったんで、機首とか選択式で2パーツあるんですが
フィーリングで格好いいと思うほうを選びました(笑)


以前、書きました
プロップはいいかげんなもんだ
という話
参考までに。
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▲現存する撮影用プロップのひとつ。経年による補修入ってると思いますが、エンジン内部など、実にテキトーな塗装であることがよく分かるですね。これを見ると、バンダイのキットのレーザーの基部と羽根の接合部があまり似てないことも分かる。見てのとおり、上だけガラスが入っているけど、これは上からの撮影アングルは窓が背景素通しにならないためです。

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▲もひとつおまけ。

写真自体は本家からの転載ですが、説明は書き起こしです。

荷物整理してたら出てきた、昔の模型のジオラマ写真

戦場の休息の一コマ、みたいな感じです。
いやあ、なんか。
これは、結構スゴイんじゃないか
ドルバック
って、何を感心してるのかっていうと
コレ、俺が中学生のときに作った模型なんですよ

たぶん32年前です
レトロですよ
懐古ですよ
32年前にこのセンスって、シブくないすか子供の俺(笑)


恥部をさらすつもりだったんですが
割といいので、あんまり恥部になりませんでした(笑)

ブツは「特装騎兵ドルバック」に出てきたパワードスーツみたいなメカ
この頃、「ガンダム」が流行ったことで、元ネタである「宇宙の戦士」にもSFファンの注目が行くようになって、パワードスーツという発想が広まることになった時代です
まあ、要するに、当時のSF業界の流行なんですが、アニメに限っていえば、まだまだ、アニメはある程度子供の視聴者向けの時代ですから、こういうものをメインメカに持って来たのは、結構革新的な出来事だったんですよね
よくこんなアニメが出来たもんだと思います
アニメ自体は全然好きじゃなくて、ちゃんと見た記憶がないんで、たぶん、あまり面白くなかったんだと思うんですが、パワードスーツ風のメカだけは、すごい好きでした

アニメ版では、むろんここまでミリタリー風じゃなく、原色バリバリで塗り分けられていたと思いますが、勝手に改造してミリタリーにしてます
ドルバックの一場面という考えじゃなくて、ただ、素材として使っているだけです

近所の模型屋のコンテストに出品して、確か優勝したんだったと思います


▲動画探してたら見つかったもの。なんだろうこの作画? 今でも普通にスゴイけど?? 原画は天才アニメーターの一人として知られる羽原信義のようです

ちょっと真面目な話しますけど、なんせ、工具も道具も材料もろくすっぽない時代、仮にあってもなかなか手に入らない時代ですし、情報なんか何もない時代ですから、そういう時代に、ほとんど独自の発想で、こういうのを作ってたのは、結構エライと思います、子供の俺(笑)
ポリパテのポの字も知らない時代ですよ、仕方ないのでタミヤパテでひたすら改造してた時代です、今と違ってトルエン入ってる強力パテなので、フィギュアに盛りすぎるとプラがドロドロに溶けちゃうという、そんな時代ですよ
みんなそんなこと知らないから、最初はドロドロ溶かして、トライアンドエラーで学んだ時代です
なんとか部品を複製できないかと、プラスチックを空き缶で溶かして、粘土型に流し込んでみたりして痛い目見てた時代です(笑)
そういう時代ですから、こういうの作るのも大変だったんです。
というと、ただの自画自賛じゃん、とか思われそうですが、そうじゃなくて、こういう時代、子供だからこそ、柔軟な思いっきりの良い発想ができたんだなぁ、と。
まあ、「ホビージャパン」のライターの頃もそうですが、情報が無いぶん、想像や独自の発想で自由に物を作ることに、躊躇、ためらいが全くありませんでした。
今は情報過多の時代なので、そういうのが、むしろできなくなってるんですよ
年齢的なものもあるとは思うんですが、たとえば「プロップの形状が分からないと作れない」とか、「これを改造するには、こんなディテールアップパーツがあるから、それを使わないといけないな」みたいに、情報慣れしちゃっていることで、いろんな方面から行動に制御がかかってしまうんですね
情報にしろ物理的なものにしろ、なにものも「あることが前提」の時代ですから、それが無いと、まず入手しなければならないという意識があって、無いまま行動に移すことがためらわれるんです

情報が限られるほうが、創作は自由になるような気がします、まあ気がするというか、賢い人たちは、みんな昔からそう言ってますけどね。

しかしね、俺、思うんですけど
ほとんど、今とやっていることが変わりません(笑)
だいたい、今、ジオラマ作っても、こんなんなります(笑)

進歩ねえなぁ、俺

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