銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

2015年11月

毎度毎度、完成してないのに、アレコレ手を出す今日この頃です。

前に書いたんですけど、私は元々、ひとつを完成させないのに次々手を出すスタイルは好きじゃなかったんですが、最近はバイタリティに欠けるので、そーいうヤヤコシイことは考えず、その時々に気が向いたものを作ればいいか、と思っているので、複数同時進行です。

まあ、コレに関しては、1年近く前から作っていて、今回載せる写真は1年近く前のものだったりします。

さて、このキット、日本語では「ムーンベース・アルファ」と呼ばれますが、英語では「ALPAH MOONBASE」のようです

少し説明すると、言わずと知れた、サンダーバードの生みの親、ジェリー・アンダーソンの製作したライブアクションSFドラマ、「スペース1999」に登場した月基地です。
案外知らない人もいますが、元々、このドラマ、実は前作「謎の円盤UFO」の続編として企画されたもので、漂流するのはムーンベースアルファではなく、シャドウの月基地でした。
結局は、大人の事情で、別のドラマとなったようです。

実は、私はこのドラマはあまり好きではありません、というか、ジェリー・アンダーソン特撮にシビれた世代としては、ライブアクションのドラマは、いまいち好きじゃないんですよね
「ロンドン指令X」も「謎の円盤UFO」もイマイチ好きじゃないです。
特撮部分はスゴイと思うんですが、ドラマパートの力不足が目立つ、まあ、はっきり言えば、あまり面白くないんですよね(笑)

そういうわけで、「スペース1999」も、名優マーティン・ランドーとバーバラ・ベインの「スパイ大作戦夫婦コンビ」が主演の割に、イマイチパンチに欠ける作品でした。
そのため、視聴率もふるわず、テコ入れで第二シーズンは超能力キャラのマヤが出たり、怪物みたいなのが出たりと、だいぶ幼稚っぽくなっていくんですが、まあ、いまだに、私はほとんどちゃんと見てなかったですね
蛇足ですが、バーバラ・ベインは当時は美女としてならしていたので、
「スパイ大作戦」と比較して、エージェントが写り方に文句をつけてきて閉口したけど、「スパイ大作戦は何年前だい?」みたいに切り返して、事なきを得たとかなんとか、そんなエピソードが、アンダーソンの自伝に載ってます。
まあ、この2人を主演に据えたのは、色々と問題があったようです。

ただ、ドラマのデキはともかく、やっぱり「核爆発で月の軌道がはずれて宇宙をさまよう」という荒唐無稽な発想は、すごいインパクトだったのは事実です。
科学的にどうこう言う以前に、その発想のでかさにヤラレましたね。
第一話の特撮は、実に素晴らしいです

ちなみに、リメイク版の「SPACE 2099」の企画がありましたが、どうもキャンセルになったようですね、残念。



そういうわけで、別に「番組のファン」というわけではないんです。
でも、メカのファンです。
イーグルのデザインは秀逸だと思うし、ムーンベースは格好良いですよね、メカ類は好きなんです。

で、子供の頃、うちの近くのデパートに、今思うと、あの当時ですから相当にマニアックな店だったと思うんですけど、輸入模型を揃えてる店がありまして、そこにこのキットが売っていたので、すんごい欲しかったんですよ

当時の子供に手が出る価格じゃないですから、買えないまま大人になった、まあ、「第二のサンダーバード秘密基地」といえば、分かる人には分かるでしょうが、垂涎の的だったわけです。
なんかね、私はとにかく情景模型が好きですが、昔、異様に欲しかったキットって、みんな情景模型風のキットだったんで、昔からそういう性質だったんだと思います。

そんなわけで、最近、再販になったので、買ってしまいました。
現在の発売元はMPCですが、元々はAMTのキットだったと思います。
ムーンベース・アルファのディオラマと、おそらくNゲージ程度のスケールの司令室のセットです。
このキット、いかんせん、40年以上前のキットですから、お世辞にもデキがいいとは言えません。
ムーンベースのパーツときたひにゃ、ただの凸型のパーツを単に月面に貼り付けて終わりです。
しかし、ムーンベースを欲しいなら、あまり他に選択肢がありませんから、ムーンベース好きなら、まずは作っておかねばいけません。
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再販にあたって、一応、新金型が追加されていて、旧版では形のおかしかったイーグル号のランチパッド?と、オーバースケールだったイーグル号が新しくなっています。

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右が旧パーツ、左が新造パーツです。ランチパッドの形が違い、イーグルがかなり小さくなってます。
右のイーグルも使わないのはもったいないですよね、なんとかしたいな。

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新イーグルのサイズは、このとおり。13ミリぐらいしかありません。こんなん塗装できないってのな(笑)

このあたりはいいとして、他にも、司令室の壁などが追加されてますが、問題は、何か通路の先にあるドームみたいなちいこいパーツの形状が微妙に変わってたりする点です。
元からぞんざいなキットですから、そんな細かいところを変えられても、なんの意味もないというか、全然ありがたみがありません(笑)
そもそも、各モジュールを繋ぐ通路がただの「2ミリ角棒だろコレ!」って形してますが、撮影用ミニチュアじゃそんな形じゃなかったはずなんで、そっち直せよ、と思いますね
まあ、実際、そのパーツに打ち出しピンの跡が激しくついてますので、そんなもん使うぐらいなら、最初から2ミリ角棒使ったほうが楽じゃん、ってことで、全部2ミリ角棒に変えましたw

正直「余計なことする前に、他に直すところがあるだろう」という感じのキットですが、推測するに、コストの問題で、金型を小さな一枚で済ますように、変更を加えるところをチョイスしたんだと思います(笑)

問題のベースとなる月面ですが、一辺が60センチぐらいあります。
バカでかいので、4つのパーツに分割されて箱に収まってます。
それはいいとして、パーツがバキュームフォームです。

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余分な部分をハサミで切り取って、貼り合わせろ、ってことです。
かなり、アバウツです(笑)
で、どうしようか考えて、石膏を流し込んでみました。
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元がバキュームなわけですから、表面ではなく、裏側が元々の原型の形状なわけですよ
だから、そこに石膏を流し込めば、原型そのままの月面ができるわけです。
ちょっと割れちゃいましたが、石膏で貼り合わせるので問題なしです

で、作ってみたのはいいんですが
想像以上に重かった!!!

いや、重いとは想像してましたが、想像以上でしたw
これ、あまりにバカでかいキットなので、そのまま平面に置いて飾れないから、壁掛けにして飾ろう、と思ってたんですね
壁掛けには重すぎる!、壁壊れる(笑)
というわけで、せっかく良い感じにできたけど、却下。

次に考えたのが
全部石膏で重いなら、発泡スチロールを埋めこんで軽量化する
という作戦
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こんな感じで、てきとーに発泡スチロールを流しこんだ石膏に埋め込んで、軽量化します。

しかし、イマイチうまくいかず
結局、挫折して、諦めて元のパーツをそのまま使うことにしました、馬鹿みたいな徒労(笑)

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元のパーツはペラペラでボコボコするので、余ってた材木とか、余りのプラ棒とかで、テキトーに補助を入れてやりました。

ところが、ここから問題が発生
石膏やらなんやらでバキュームパーツをいじくり回しすぎて、歪んでしまい、うまく上に基地のパーツがのらなくなりました。
あちこち凸凹しちゃって、基地をのせると、隙間あきまくりです。
ここから、苦労が始まり、もう面倒くさくて嫌になったんで、ずーっと放置してたわけです。

それはさておいて
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せっかくなんで、各部に電飾を入れておきます。
雑です!!
手元にあった、クリスマス用のイルミネーションパーツがそのまま使えました。
このパーツは百均で買えるのでお勧めです、電池ボックスとLEDが20個ぐらいついて、100円ですから、すんごいお買い得で、私はクリスマスシーズンに出回ったときに買いだめします

銀が吹いてあるのは、光漏れ防止です。
この円柱状の凸(表から見れば凹)は、要するに底面に何も支えがないとバキュームパーツがたわむので、その支えとしてついている部分ですが、これらは基地パーツの内側にくるように配置されていますので、そこに穴をあけて電飾を仕込みます。

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表から見ると、こうなります。
基地パーツにはピンバイスで穴をあけて、光ファイバーを仕込んで、この光を誘導します。

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材木でベースを作り、そこに月面をはめこんで、パテで隙間を埋めていきます。
同時に、月面のザラつきも溶きパテでつけていきました。

ベースに広い面があるのは、そこに司令室の模型を貼り付ける予定だからです。
電池ボックス剥き出しはご愛敬ですね。

一番下の写真で、白やら黄色やらの汚れみたいなのがあるのは、前述のように、ちゃんと基地パーツが乗らなくなったせいです。
そこで、どうしたら基地パーツを別パーツにしたままで(貼り付けると塗装しにくいから)、ピッタリあう形に
月面を修正できるか、という実験のあとです。
ポリパテを塗りつけてパーツを押しつけてみたり、ジェルメディウムを塗って置いてみたり色々やってみたんですが、うまくいかないので、結局は、基地はもう月面に貼り付けてパテで埋めて、苦労するけどあとから塗り分けることにしました。

てなわけで、作業はもうちょっと進んでますが、今回はここまでにします。

いちいち回数を分けて引っ張るようなネタではないと思うんですが、いつまでもプラモが完成しないので、ブログを更新するために小出しにしたりしている駄目ブログな今日この頃
で、二回目です

最近は、ちょっと休止と言う名の「飽きて」、AMTのムーンベースアルファを作ってたりもします(笑)
こいつは、かれこれ一年近く前から作ってるんですが、途中で止まって完成してません、途中まででも製作記を書こう書こうと思って、いまだにそのままです
2年ぐらい作ってるタミヤの1/6 CB750のキットもあるしなぁ
コレしか現在入手しやすいキットがないので、無理して高い1/6を買ったのに、ぐずぐずしてたら、アオシマから年末に1/12のキットが発売されることになっちゃったしな(笑)

いやー、しかし、前回書きましたが、このキット、相当にアバウツです
アバウツと書いて「モナーク」と読むぐらい、適当です
パーツは足りてないし、プラは流れずあちこち欠けてるし、モールドは潰れてるし、実にひどいもんです
そんなこんなで、結構、直すのに手間かかるんですが、とにかく、どんどん組んでモールドを入れ直していきます
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▲どんどん組み立てていきます。だいぶ形になりました。

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▲耳はパーツが無かったので、エポパテで作りましたが、使ったパテが古すぎてちゃんと硬化しなくて苦労しました。適当に盛りつけて、リューターで削りを入れていきます。目玉部分には、キットの目玉を削り落として穴をあけ、断面をブラックで塗装した後、ざっと透明プラを削って入れてあります。この後、最後に整形します。

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▲ちょっとピンぼけしました。全体にサーフェーサーを塗って確認してみました。サーフェーサーはスプレーではなく、筆塗りです。叩きつけるようにして塗ることで、全体にザラつきを出します。だいぶ出来てきたけど、まだモールドが甘いところがあったので、この後、更に修正します。

ポイントでもある簡易ジオラマ風ベースは、以前書いたように、ビルのパーツが不足してました。
4面を貼り合わせるようなパーツのうち、2つのビルのパーツが2枚ずつ、合計4面ぶんのパーツがありません、ひでえ。
最初は、複製が面倒臭かったので、プラ板で適当に作ろうと思ってたんですが、結局、存在しているパーツを複製して作ることにしました。

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▲お湯でふやかすと柔らかくなる簡易シリコン、「型取り君」で、壁のパーツを型取りしました。

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▲合計4面ぶんの壁シリコン型ができました。コレの欠点は、お湯でふやかすので、必死で拭いておかないと、プラキャストに水分が入ってしまうところです(笑)

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▲で、プラキャストを流して複製したパーツがコレ。モールドが甘いように見えますが、型取りミスではなく、元のキットからしてこうです(笑)

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ぎゃお~~~~ん(訳:子供はどこや~)
背景が汚いのは気にしないでね
あっ、そうそう、鼻の穴は浅いので、穴開け直してます
あと、LEDが仕込んあるので、口の中に光漏れしないように、内部を金属板で蓋してあります
今回はここまでで。


ところで、話が余談になりますが、このキットを作っているうちに
怪獣熱
というか
怪獣簡易ディオラマ熱
が再燃してきたので、うっかりと、ネットで中古品を探し出して
バンダイの特撮コレクション 1/250 初代ゴジラ
を買ってしまいました。
このシリーズは、俺が20代の頃に出たシリーズです。
比較的安価なウルトラセブンやバルタンなども出てました
結構デキにバラつきのあるシリーズで、「ペギラ」なんぞは良く出来ていたと思いますが、「モスゴジ」なんかはひどいデキでした
他は1/350なんですが、その中でこのキットだけ1/250で巨大、一番の豪華版で当時2千円しました。
簡易ジオラマ風ベースがついていて、パッケージには書いてませんが、原型製作が速水仁司さんなので、シリーズ中屈指の出来です
あまり着ぐるみには似てませんが、イメージ作品としては素晴らしいと思います。

このシリーズ、なぜかペギラかと思うと、バルタン、しかも二代目バルタンだったり、イマイチ、アイテムのチョイスがバラバラで意味不明なシリーズで、なんとなく終わってしまいましたが、この1/250のデキがよかっただけに、続けば、日本では珍しい、ちょっとオーロラっぽいテイストの良シリーズになりそうな感じもあり残念です

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▲こんなキットです。ただ、ベースはあくまで「台」でしかなく、ゴジラがどんな向きでも自由に置けてしまう、というあたりに、いまひとつこだわりが感じられません

買った理由がもうひとつあって
俺、プロモデラーだった頃は、結構ゴジラの作例作ってて、今も手元にあるホビージャパン別冊の「ゴジラ超獣伝説」を見ると、結構簡易ジオラマの作例も作ってるんですけど
一個も家に残ってないんですよね(笑)

これだけゴジラ作って、これだけゴジラ好きで
一個もゴジラの模型が家にない
ってのも、アレだなぁ、ひとつぐらい、ゴジラあってもいいよな、と、ふっと思って。

で、何を言いたいのかっていうと、ゴルゴならともかく、ゴジラぐらいになれば、いくらでもデキのいいソフビとかあるわけですよ
わざわざ、古いモールドの甘い、手のかかるキット買わないでもいいやん!
って思うんですよ
けど、欲しいとなると
絶対にプラモじゃなきゃ、ヤ!
なんですよね(笑)
別に、今完成度の高いゴジラキットがあれば、素直にそっちを買いますけど、他に無いから、コレになっちゃうという。

これね、要するに「欲しい」っていう表現が正しくないんですよ
そのアイテムが欲しいわけじゃないんです
いや、欲しいと表現するなら、欲しいんだけど
自分が作ったものが欲しい
んですよ
作りたい、そして自分の作品を置いておきたい
なんです

ソフビの隙間をパテで埋めたり、色塗り直したりしても、それは俺の感覚の中では
改造であって作るではない
あくまでもそれは買ってきたアイテムをそのまま飾るのと変わらない
ということなんですよね
端的に言うと
他人の作品
という感じが抜けないんです
それだと面白くない、嬉しくない、だから、プラモじゃないと駄目だ、ということなんです

まあ、これはあくまでも俺個人の感じ方の話ですんで、他の人がどうこう、ということではないんですが、つまりは
完成品を買ってくれば済むのに、時間がないくせに、いちいち時間かけて作らないと気が済まないというのは、実に難儀な性格やなぁ
ということです(笑)


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▲ 昔、ホビージャパンで作った作例。初代ゴジラの出現シーンと、モスゴジの出現シーン、他に写真は載せてないけど、キンゴジも作るということで「三大出現シーン企画」でした。
上のゴジラは、なぜかモスゴジのキャストキットの改造だったと思います、場面がギニョールゴジラを使ってるシーンなので、顔つきが初代とは違うので、モスゴジを改造しました。
下のが前述の デキの悪いバンダイのプラモ、1/350モスゴジです。あえてここにデキの良いキャストキットなどではなく、デキの悪いプラモを使ったのは、誌面上、コイツの作例が必要だったから、という理由だったと記憶してます。モールドは全て掘り直してますので、だいぶマシです。しっぽは、確かキンゴジで使ったキャストキットからの流用です。
余談ですが、子供の頃からずーっと、この手前にある家が不思議で(場所が洪水後の干拓地だから)、謎だったんですよ。このときも分からなかったので、適当にそれらしくでっちあげてます。
当時はDVDもなく、VHSビデオしかないし、資料も少なかったので(私だけではなく、編集者たちも)誰も正体が分からなかったんですよね。今DVDやBDを見ると、コレは実はどうやら漁船の二階建ての操舵室だということがようやく分かるようになりました(笑) クリアな画質で見られるというのは、ありがたいものです。

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