前に、オーロラの記事を書きまして、そこで「猿の惑星のキット」をオーロラの代表作のひとつのように書きましたが、その後の調べて、どうもオーロラ製品ではなかったようだ、という結論が出まして、あとから、その件を追記しました。

が、色々見てるうちに、どうも謎が多く、追記の部分も少し間違っているようでした。
気になるので、もうちょっと調べてみたんですが、イマイチ、理解できないことが多いのです。
英語ペラペラならすぐ分かるのかもしれませんが、こういうとき、つたない英語力だと苦労しますね。

だいたい、そもそもが半世紀も前の模型の話ですから、なかなかに情報は少なくて当然です。
しかも、ネットというのは、誤情報が平然とコピペされる世界ですから、有力な情報を見つけても、簡単に鵜呑みにはできません。
国内の情報でさえ、マルサンやミドリ商会、ブルマアクに関する話など、間違いっぽい怪しい話が色々あるんですから、ましてや半世紀近く前の外国の模型のことなんか、そうそう分かるもんじゃありません。

というわけで、ここから書く話は、完全に私の推測ですので、間違っていても一切責任は持ちませんので、そのつもりで(笑)
まー、どーでもいいっちゃー、これほどどうでもいい話もないんですけどねw
これまで40年以上、信じていた「人生を変えたようなこと」が、どうも思ってたのと違うと分かったので、気になっちゃうんですよ。

まず、これまでに分かっていることを整理します

1)猿の惑星のプラモデルが数種類出ていた
2)一般にそれらは、オーロラの製品として認知されている
3)ポーラライツによる再販でも、オーロラの製品と記載されている
4)実際には、アダーというメーカーの製品である

まず、この1~4は、ほぼ疑問を挟む余地の無い事実です。
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▲これが一般に周知されているオーロラの猿の惑星キットですが

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▲これがアダーのロゴの入った製品です。
正式に英語表記すると、アダーは
Addar Products Corp
です。
このメーカーは、猿の惑星他、ジョーズなど、いくつかの製品を出して解散したようです。
この製品の件は、日本版Wikiにも記述があります。
追記に書きましたが、おそらくポーラライツからは再販されていない猿の惑星キットに、シーザーのキットと、馬にのった将軍のキットがあったようです。
中には、ボトルキットのジオラマ風の猿の惑星などもあったようで、これはどこからも再販されていないので、入手困難でしょう。
確証がないのですが、猿の惑星のトイやフィギュアも出していたようです。
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▲ネットで拾ってきたアダーのボトルジョーズの写真です。昔はこういうボトルキットがよくありましたが、ジオラマ風は珍しいと思いますね。

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▲猿の惑星のボトルキット。ツリーハウスのシーンのジオラマ風キット、というか、ほぼオモチャのようなものらしいです。
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▲同シリーズの別キットです。貴重な実物写真がありました。人間狩りで人間を折りに入れて運ぶシーンですね。見る前は、すごく期待してたんですが、馬車以外、檻はシールだし、猿は板にシール貼るだけみたいですね、ショボすぎて拍子抜けですw


まず、確定している点として、この
猿の惑星シリーズのキットがアダーの製品だ
という点は、間違いありません。

で、コメントに貴重な情報を頂きまして、少し書き直しをしました。
まず、私自身が誤解していた部分と、どうにも書き方がヘタすぎて、読む人にうまく伝わってないところがあったせいで、ご指摘を頂いた部分もあるようなので、全て私の不徳の致すところです(笑) ということで
これでホントにプロのライターなのか(笑)
と思ったりもしますが、仕事の原稿と違ってその場の勢いとか、酔った勢いで書いてますので(笑) そこはご勘弁を、ってことで、説明し直しますw

で、ちょっとうまく伝わってない部分ですが、ポーラライツが再販するまで、猿の惑星にオーロラロゴのパッケージは無かった、という話を頂きましたが、これに関しては、正直、私にはよく分かりません。
分かりませんが、このことは、私にとっては、別に、どうでもいい、というと語弊があるのですが、私が
ものすっごい気になっている
のは
なんでファンの間で、このシリーズが、オーロラの製品である、あるいは、もの凄く関連づけられて認知されているのか
という部分、その一点、なのです。
とにかく、海外のオーロラファンのサイトには、必ずと言っていいほど、このシリーズも掲載されている感じです。

ポーラライツが再販するときオーロラのロゴを使ったせいで、オーロラの製品という誤解が広まった
ということなら、それで
スッキリ解決、万歳!
で良いので、こんなに引っかからないのですが、私の知る限りは、そうではないと思うんです、ここが
すんごく気になって気になって仕方ない原因
なんです。
私の認識では
昔から、どうもこのキットには「なんらかの形でオーロラと関係がある」というコンセンサスが(日本だけではなく)海外にあるようだ
ということで、この「昔から」というのは、むろん
ポーラライツが再販する以前から
ということで、ポーラライツの再販うんぬん、という部分が割とどうでもいい、と言ったのは、そういう理由です。

早い話、ポーラライツの再販は、「このキットはオーロラの製品である」という誤解をはなはだしく強化したのかもしれませんが、ゼロから作ったのではないだろう、ということです。
それ以前から、そういう誤解は存在していた、と思います。


その理由ですが、第一に、私が子供の頃、猿の惑星キットがオーロラの製品である、という広告を見た記憶があるのですが、これに関しては、ご指摘頂いたのですが、確かに子供の記憶なので勘違いの可能性はすごくありますw
ただ、説明不足でしたが、オーロラのキットは当時の模型少年の憧れでしたので、さんざん友達たちとも「オーロラの猿の惑星ええよな」みたいな話をしてたのです。
このへんから可能性を考えると、子供達全員が同じ勘違いをしてたとは考えにくいですから
見た事自体は確かだろう
と思うわけなのです。
ただし、なんせ海外が遠い外国で憧れだった時代ですから、ろくすっぽ情報もなく、売り手だって、あんまり理解してなかった時代で
外国に詳しい人はそれだけで尊敬されたので、やたらしたり顔して語りたがって、実は間違っていて誤情報をやたらと広めてた時代(笑)
ですので、広告そのものが間違っていた、という可能性は多分にあると思われます(笑)ので、子供の頃に見た、というのは、根拠として除外してます。

第二に、少し引っかかる部分では、海外では、よく、アダーのキットについて「オーロラ&アダー」のように記述しているケースが多いのですが、そのケースに、ポーラライツが再販していな いキットもよく含まれているという点です。
これでは「ポーラライツの再販のせいでオーロラと誤解されている」では説明がつきません。

第三に、私が元々、この件が気になりだした理由はコレなんですが
オーロラのファン系のサイトには、かなりの割合で、昔から、アダーの猿の惑星のキットが載っていることがある
ということです。
ポーラライツが設立されたのは90年代後半のはずでして、猿の惑星の再販発売日を探したけどハッキリしなかったので、曖昧ではありますが、おそらく1999年末期か2000年だと記憶してます。
けど、仮に、ポーラライツ設立当初から発売されていたとしても、それより以前から、(アダーの製品という記述はたいていありますが)、オーロラ系のサイトには、猿の惑星シリーズがよく掲載されていました。
蛇足ですが、早ければそうしたサイトは90年代前半からありましたが、これは「その頃から情報が掲載されはじめた」ということではなく、単にインターネットが爆発的に普及したのが95~6年だということです。
記憶に頼るなら、インターネット以前は、大手のパソコン通信サービスというものがありまして、アメリカ最大のサービスはCompuServeで、私はコレを使ってましたが、その頃から、CSで、猿の惑星シリーズとオーロラを関連づける認識は、あったように記憶しています。
実際、明らかにデジカメ写真ではなくて、まだフィルム写真の時代のものをスキャナで取り込んだ、という写真も見られますし、その質感から、おおざっぱな年代も推測できますし、相当前から、オーロラとアダーを関連づける傾向があったのだという図式が成り立ちます。

そういうわけで、要するに
ポーラライツが再販する前から、なんらかの形で、アダーのこのシリーズはオーロラと関係がある、というコンセンサスが海外のオーロラファンの間にあった
ということだと思うのです。
逆説的に言うと、そういうことがあるからこそ、ポーラライツが再販のときにオーロラのキットとして出した
のであろう、と考えたほうが筋が通ります。
そもそも、ポーラライツはオーロラに憧れて出来たメーカーですし、英語のポーラライツというのは、つまり「オーロラ」のことですし、メーカーロゴのデザインもオーロラのマークのマネですからね、要するに
オーロラリスペクトメーカー
ですからね。

さて、その謎解きは一旦置いて、その認知される過程において、間違いなくその認知を強く強化したのが
キットのテイストが、まぎれもないオーロラテイストである
という事実です。
マネにしては、似すぎてます。
だからこそ、みんなオーロラのキットだと思ったわけですし、なぜ、これほど似ているのかが謎なのです。

ただ、一方で、このキット
オーロラの製品にしてはダサすぎる
という感じがあるのも事実です。
ぶっちゃっけ、オーロラの製品には、ポージングがイマイチだったり、プロポーションがイマイチだったりするものもあったのですが、それでも、前に書いたように「ヘタウママンガのように、独特の味がある」のですが、猿の惑星シリーズには、それが見られません。
単に、ポージングがイマイチで、プロポーションがイマイチなんですw

つまり
すんごいオーロラっぽいんだけど、なんか、どっか微妙に違う
ような感じですw
ここが、またモヤモヤした疑問を増やす原因でもあるのです。

えーと、違和感を分かりやすくその感じを表現すると
オーロラ好きが作った、オーロラのばったもん
という感じですw

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▲デキの悪いシリーズの中でも一番デキが悪いコーネリアス。ベースのテイストとか最高なんだけどねぇ。このキット、ネットで写真を見ても、写真の角度がたいていは見下ろし角なので、広角っぽくなって上半身が大きく見えてるのかな? と勘違いしがちなんですが、実際にバランスがこうなんです。下半身に比べて、明らかに上半身、特に肩幅が広すぎるのでした。制作中なので、そのうち制作記事を載せます。



で、ここから、ネットで出回っている噂ですが

5)アダーが企画製作し、別のメーカー(PRAYING MANTISという噂あり)が販売していた
6)その際、ジョークでオーロラのマークを入れた
7)テイストが似ているのはオーロラと同じ原型師が作ったから


などです。
どうも、このへんの情報は、猿の惑星のキットがヤフーオークションに出品されたときに、書かれていた説明が広まったもののようです。

5)の「アダーが企画製作し、PRAYING MANTISが販売していた」という噂なんですけど、普通にアダーのロゴで売ってる写真がネットにゴロゴロしてるので、誤情報です。
実はその後の調べで、このポーラライツ自体が、PRAYING MANTISの資本傘下なんですよね。
これ、一生懸命調べたあとで、日本のWikiみたら普通に書いてありましたよ、馬鹿みたい(笑)
つまりポーラライツが販売している、ということ自体が、「アダーが企画製作し、PRAYING MANTISが販売していた」、という誤情報になったんだと思います。


6)ですが、これもいくらなんでも誤情報だと思います。
アダーの活動時期は71年から数年のようですが、その時期はまだオーロラは倒産していませんので、両者が同時に存在していたことになります。
いくらおおらかな昔とはいえ、ジョークであれ、リスペクトであれ、訴訟大国アメリカで、堂々と現存するメーカーのマークを入れるというのは考えられません(オーロラの倒産は84年)。
それのみならず、もしジョークだとすれば、いくらなんでも本当のメーカー名がどこかに書かれているはずですが、それも一切ありません。
常識的に考えて、オーラのロゴを使ってしまえば
立派な詐欺
でしよう。
そんなことしたら裁判沙汰になっちゃうような話で、まずあり得ないでしょうから、この「ジョークで」というのは、完全な誤情報として除外していいと思います。
そもそも、この誤情報は5)とセットになっていまして、誤情報では、
発売当時にアダーが企画製作し、PRAYING MANTISが販売していた
という話なんですけど、前述のように「PRAYING MANTISうんぬん」の話は、最近のポーラライツの再販を指していると思われますから、ロゴを使ったのもオーロラ倒産後の話になっちゃいますし、全然話が違ってきます。


7)に関してですが、漠然と、オーロラのマークが冠されている理由、ファンがコンセンサスとして「オーロラに関係ある」という認識を持っている理由が分かるようなことを発見しました。
海外の模型関係のHPで、アダーという会社は
オーロラ社から派生して、オーロラの元社員が作ったメーカーである
ということらしいです。

そもそも「原型師が同じ」という噂はおかしいです。
そういうのは、最近の「原型師というものが認知された世代」の考え方で、昔の模型には、ほとんどあり得ません。
あの時代は、普通はあまり「原型師」というものは使っておらず、形状の参考モデルは作ったとしても、それを原型として使うわけではなく、金型そのものは、ほとんど社内で設計したものです。
オーロラの設計者がアダーに移った、と考えれば、テイストがそっくりなのも納得いきます、というか、そう考えない限り、この、あまりのテイストのそっくりさ加減は納得できません。
「オーロラの原型師である」というのは、このへんの「元オーロラの社員が作った会社」という英語情報が誤解されたのではないかと思います。

この「分派」という考えで、なんとなく説明がつきそうに思えます。
その分派したアダーが、オーロラに不満を持ったり、ライバル的な意味あいで分かれたわけではなく、いわゆる「別ブランド」など、なんらかの形で同じ資本傘下、もしくはそれに近い友好的な関係にあったとすれば、なんとなく、すっきり解決します。
いわゆる、アオシマと、アオシマスカイネットのような関係だったのかもしれません。

ともかく、「オーロラの分社」であるという事実を持って
オーロラファンが、アダーの製品を一種の「オーロラ一派」という感じで、オーロラ関係と見なしていた

ということではないでしょうか

追記:ビジターの方に「オーロラに開発を委託するような形だったんではないか」という推測を頂きました。確かに、その可能性は高い仮説ではないかと思います。私のつたない英語力では、オーロラの社員?(会社?)が作った、というような感じの意味しか読み取れなかったのですが、アダー社がオーロラに依頼して作ってもらった、という解釈もできると思います。この仮説が有力そうに思える根拠として、猿の惑星プラモシリーズはそれなりに出来がいいが、他のアダー製品は相当にぞんざいな出来で、明らかに水準に違いが見られる点です。他が自社開発で猿の惑星プラモシリーズが外部委託だとしたら、水準の違いも説明できます。


なお、会社的な事情で、同時、もしくは近い時期に両方のメーカー名で売られていた、というのは、今でも考えられる可能性だと私は考えています。
この件については、オーロラの当時のカタログには猿の惑星は一切掲載されていない、というお話を頂いたのですが、これも私がちゃんと書いてなかったので、誤解を招いてしまった点で、まことにすみません。
実は、私もオーロラ設立から倒産までの全年度のカタログを持ってます(ネット収集ですが)。
オーロラのカタログに載ってないのは知ってはいたのですが、例えば、模型は、ヨーロッパの一部地域、アジアの一部地域だけ、本家とは違う別のメーカーで製品が売られている、などということは割とあります。
その場合、たとえば、その「別のメーカー」がヨーロッパのみでその製品を売っているとすると、ヨーロッパの製品は本国アメリカには全く関係ない話なのでアメリカのカタログには一切掲載されませんし、アメリカの人は(今のようなネット時代でなければ)その事実さえ普通は全く知りませんから、カタログなどを持ってして、「当時オーロラは売ってない」という根拠とするには薄弱だと思ってたわけです(なお一時期のみのようですが、オーロラはヨーロッパに進出しており、製品構成も違ったようです)。

ただまあ、それはあくまで論理的可能性だけの話でして、前述の「アダーの製品を載せているオーロラ系列のサイト」は、あくまでアメリカ人が中心ですので、ということは「海外でのみ売られていたせい」という線は、あんまり可能性の高くない話だとは認識してます。

追記:その後、全く関係ないスタートレック(宇宙大作戦)のキットを調べていたときに、興味深い事実を発見しました。AMTのスタートレックのキットは、当時イギリスではオーロラブランドで売られていた、つまりオーロラが輸出代行をしていたそうです。そういうことが実際にあったとすれば、やはりアダーの製品もオーロラブランドで輸出されていたのかもしれません。


まあ、ともかく、そんなわけで、結局、これはオーロラのキットなのか、といえば、アダーのキットなのですが、結局、ファンのコンセンサスがオーロラ関係となっている以上は、もう、オーロラのキットと考えても、間違いではないのではないか、と思います。

まー、推測ばっかりで、実際は、イマイチ、よく分からないんですが、そんな感じですw