銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

2017年12月

えっと、アレっすね、意味不明なタイトルですなw


私の実家がある大阪府高槻市は、きりしたん大名の高山右近が有名なのですが、古墳がたくさんある街としても知られていまして、その関係で「はにわ」がキーワードになっとります。

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▲今城塚古墳の周囲には、はにわの復元が飾られてます。単なる復元ではなく、実際にこういう風に配置されていたらしい、という推測の祭壇です。これは古墳のすぐ横にあります。こういうのを見ると、すぐに「造形的な観点」から見るのが、モデラーのサガというものですが、良く出来てますねぇ。あ、写ってる子供はウチとは何の関係もありませんw

そんなわけで、多数ある古墳の中でも、有数の巨大さを誇る今城塚古墳、というものがありまして、そこに歴史館が併設されてるのですが、そこで子供向けの「はにわ製作の体験教室」がありまして、子供のつきあいで参加してきました、というわけです。

所要時間30分で、どんな素材でどういう風に作るのか、も分からなかったので、とりあえず、ぶっつけ本番なわけです。
結論から言うと、よくある「オーブン陶芸粘土」だったんですが、なんせ素材の癖も何も分かりません。
しかも、時間内にネタを考えて、造形時間を終了させないといけない、というわけで、かなり無理のある話で、嫁なんかは時間に間に合わず、私がはにわの顔やらパーツを作ってやったりしてました(笑)

なわけで、やはり猫マニアとしては、ここは
猫です!

作りましたよ、年甲斐もなく恥もなく、猫はにわ
にゃんこのはにわだから、はにゃわです、はいw


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時間がない割に、頑張ったと思います(笑)
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作ってる最中は
アートナイフ欲しい
耐水ペーパー欲しい

と何度も思いました(笑)

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我が家の新参猫とのツーショット。
夜の深いドブで死にかけてたのを、決死の覚悟でドブ汁まみれになりながら、サンダーバード並の救出劇を繰り広げて救い出した(元)子猫ちゃんです。
今でこそこう慣れてますが、救出直後は抵抗して、血まみれでした私。
ドブまみれで、思いっきり噛むものですから、噛まれたところが感染症みたいになって大変でした。
この救出劇は、詳しくは本家日常ブログのほうで書いてます。

で、えーとですね、こういうポーズのはにわがあるんですね、剣を持ってる、それで剣の代わりに魚を持たせて、鎧着せようと持ってたんですけど、時間切れで間に合わなかったという。

目が穴なのは、焼き乾燥させると、空気膨張で割れるので、穴を開けないと駄目だからです。

うん、時間ないわりに頑張った俺(笑)


今回は、前回ちょこっと書きました、改造箇所の話・・・をしようと思ったんですけど、予定変更。

だいたいは改造が終わってるんですど、そこのバランスを最終的に見る上で、どうしてもタイヤが必要となったので、製作順序とは逆ですが、そっちの話を先に。

前回、メッキパーツについて書きましたが、古いキットで一番問題となったのが、ホイールです。
ただでさえ、スポークが太めな上に、さすがにスポークにバリはあるわ、そのままメッキされてるわで、とてもじゃないがそのままでは使えません。
というか、仮にもしキレイでも、左右貼り合わす形になってますから、そのままだと思いっきりセンターに合わせ目が出てしまい、スポークがついたままだと、合わせ目を消すのがメチャクチャ大変です。

というわけで、ここはひとつ、シャープさを出すためと、後述の理由で、バイクキットにおなじみのスポーク張り替えをやってみましょう。

が、ぶっちゃけ
今までやったことありません(T.T)
中年の初体験、うふん

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▲すいません、自前で写真を撮り忘れたので、ネットで見つけた写真を無断転載させていただいてます。駄目だったら言ってください消します。1/6スケールなので、比較的細いけれど、やっぱりもっさいスポーク。もうちょっとバリ多かったかな、私のキットは。上下金型で整形されてますから、細いスポークの断面を見ると結構なズレが生じていたります。このまま作るにしろ、一本ずつパーティングラインを消すのはめちゃ大変だと思いますし、ヤスったらメッキはがれるので、どっちにしろメッキはがし塗り直しは必須です。


というわけで、まずは以前に書いたように、苦労してメッキを落とします。
落としたら、組み立てます。

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▲また無断借用です、すみませんんっっつ。メッキを落として組むとこんな感じ。スポーク基部とかにメチャクチャ段差が生じているのが分かるだろうか?

果たして修復できるかドキドキしながら、一気にスポークを切り飛ばします。

切ってみると、スポーク基部の半球が、実はかなりいびつな形状だと気づきますので、少しここで泣きましょう(笑)
これ、一個ずつ修正すんの、めっちゃ大変です。
大変と泣いてても、切り落としてまったものは仕方ないので、気を取り直したら、半球を整形しつつ、合わせ目を消していきます。

今回はMr Hobbyの電動ヤスリ、G-Toolのスポンジヤスリみたいな部分を筆のケツとかでぎゅーっと押して、丸く凹ませて、それで磨くようにして整えたので、だいぶ楽になりました。

中央のパーツにもスポークモールドが入ってますので、削っていくのは結構大変です。

あ、あとは空気を入れるバルブのところは切り落として、小さいネジで作り直してます、確かずーっと前に写真を載せたはず。
CBのバルブのフタは6角形なので、そのままネジのナットが使えます、ただし高さがあるので、ナットを2つ貼り合わせます。

で、ここまで出来たら、まずはパーツを塗装します。

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▲こんな感じで、ホイールと中央部は見事に分離。元に戻るのか、ドキドキです。最近のバイクはスポークのタイヤはほぼありませんので、こういう作業しなくていいから楽ですね。


スポークを貼る際、治具が必要なので、中央にボルトを埋め込んだ板を作り、そこにスポークの線を描いた紙を貼ります。
ボルトで中央パーツを固定するわけです(治具の写真は下のほうを参照)。
ホイールは、そのまま置くと位置があわないので、下にプラ板を挟んでやり、クリップで固定します・・・が、具合が悪かったので、途中からマスキングテープで貼るやりかたに変更しました。
このスポークのガイド紙は、ネットで画像を公開されていた方がいらっしゃったので、1/6スケールにあうように拡大して、ありがたく使わせていただきました。
ですが、今回、そのページをあらためて探してみたのですが、見つかりませんでした。

あとは中央パーツとホイールに、ピンバイスでスポークの入る穴をあけていきます。
中央のパーツはそのまま開ければいいのですが、ホイールのほうは角度がついて棒が入るので、治具にセットして、ガイドを見ながら角度をあわせて開けていきます。

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▲ピンぼけごめん。中央部は縦にスポークが通るので、普通に垂直に穴を開ければ良い。スポークがささる基部には半円のくぼみがあるが、キットではスポークモールドで埋まっているわけで、削ったあとで、ひとつづつ、ピンバイスでくぼみを作り、その中央にスポークの入る穴を作っています。


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▲ピンぼけごめん2。ガイドを見ながら、ピンバイスで角度をあわせて穴を開けていくんですけど、なかなかこれが難しい。もう、「だいたい」で我慢しないと、いくらやっても「失敗→直し」の無限コンボで進まないので妥協も必要。

厳密に言うと、スポークが中央パーツに刺さってる根元の部分には、丸い玉みたいな形状があります。
リベット貼って再現するのも考えましたが、たぶんピンバイスで穴をあけると割れたり苦労しそうなので、再現し出すとキリがないのでオミットです。

なんて、文だとあっさり書いてますけど、さすがにこの作業を全穴ぶんやると、パーツを傷つけずに穴を開けるのは困難だったりして、後から
穴を開けてから塗装したほうがよかったな
と気づいたりして、一度穴をあけてから塗り直したり、何度も試行錯誤してます。

結局、このキット、ホイール部のデキがかなり「だるい」んです。
左右の合わせ目のエッジ、角が丸まってるので、かなりスキマがあきます。
そこを瞬着とかパテで埋めて、スポーク基部の半円パーツの整形とかをするわけですが、こういうところにピンバイスで穴をあけると、埋めたものが割れてきたりするんですよねぇ。
相当気を遣っても、やっぱり割れたりするので、かなり大変です。

穴が出来たら、いよいよスポークを張る・・・・前に、スポークを切り出さないといけません。
なんと片輪40本
前後で80本

です、面倒です、いやです、挫折しそうです(笑)

ここは、なんとか根性で乗り切りました、毎日ちょっとしか作業できないので、数日かかりましたけど。


さて、ここから「後述」と書いた理由ですが、キットのスポークが太いのは、むろんそれ自体がダサいのですが、太いと、存在感がありすぎるんですよね。
前から何度も言うように、今回の改造の目的は「漫画のイメージを再現する」ということです。
で、実はコミックを見ると分かりますが、飛葉のCBって、あまりスポーク描かれてないんですよ。
走行シーンが多いせいも、もちろんありますが、止まっているシーンでもかなりぞんざいというか。
「無い」んじゃないですが、当然絵だとペンの線一本ですから、細っこいイメージです。
しかも、中央から外側に向かう線が、最後まで繋がってなかったりします。
要するにスポークが途中で途切れていて、ホイールが宙に浮いてる状態です。
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▲こんな感じが私の持ってる全体的なイメージに近い絵。

もちろん、時期や絵によってばらつきはありますが、基本、そんな感じなのが望月先生の描画の癖です。
望月先生、タッチが荒いので、描くの面倒なのかと思ったけど、描くのはアシスタントだから、たぶんそうじゃなくて、全部描き込むと「絵としてうるさすぎる」からなんだと思います。そんなわけで、まあ端的に言えば
「スポークが無いか、それに近い感じ」が私の持つ、漫画のイメージ
なのです。

しかし、いくらなんでも立体でスポークがないのは無理だし
いや、見えない部分でタイヤを支えればそれも可能ではあるんですが、でも、立体物でスポークがないのは、さすがに不自然だろう、ということで、じゃあ、どうしようかと。

なるべく、存在感を出さないようにしたい、ということで、細くしちゃおう、と。
この「スポークの存在感をなくす」改造をしたかったので、張り替えが必須だったわけです。
このスケールだと、本来は0.5~6ミリぐらいの太さがちょうどいいんですが、あえて細めの0.4ミリのスチール線を使いました。
基部の部分は逆に存在感を出したくて、1ミリの真鍮パイプを使ってます。
たかがコンマ0.1,2ミリ程度の違い、とあなどるなかれ、実際にちょっとパーツに仮組みしてみたりしますと、その差で、全然見た感じが違います。


というわけで、あとはひたすら、スポークを張っていく作業となります。

スポークの先端を曲げて中央部に差し込み、基部に通したところに、真鍮パイプを挿していきます。
ピンセットでスポークをつまんで配置していきますが、なんせ後半になると入り組んでくるものですから、なかなかパズルのようでうまくいかず、ボロボロ落として
うき~っ!!!!
っとなります(笑)
相手は薄塗りのパーツですから、スポークがちょん、と当たっただけで、塗装がはげてしまったりますし(-_-;)

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▲ひたすら張っていきます。言うは易く行うは難し。実に面倒くさいです、投げ出しそうです。


このスポークは、片面、交互に表と裏から、中央のパーツに刺さっていますので、作業手順が必要です。
まず、奥の裏側のスポークと手前の表側のスポークを張ります。
そしたら裏返して、同じ作業を繰り返しますが、この段階では既に半分スポークが張られ、その間を通すように張る形になるので、とてもパズル度が高く、大変です。
スポークは、位置が決まったら瞬間接着剤で固定していきます。

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▲やたー、一個できたー! でも、まだもうひとつあるのです、挫折するな俺!! 根性だ。

てなわけで、あとは後輪も同じ作業。
なんだけど、特に後輪はスペースが狭いので、張られる角度も変わってきてキビシイので、大変でした。

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▲というわけで、なんとか全部できました。さすがにシャープで本物の金属なので質感もよくなります。この存在感のない感じが、漫画のイメージに近くなったと思います。

ぶっちゃけ、張るだけで修正とかやり直しとか含めて実質2週間ぐらい、かかりました。

しかし、さすがにワヤな作業だけあって、結構ホイールが傷ついたり、うっかり瞬着つけちゃったりで、一部塗装がはがれてしまいました。
どうしょうかなぁ、これから塗装し直したらスポークも塗られちゃうし、かといってマスキングも困難だけど、金属だから塗料ついても、こすったらはがれるかな、などと悩みつつ。

まだ塗装がはがれてたりして、フィニッシュできてませんが、まあ、とりあえずここまでできました。

ものすごく面倒な作業でしたが、やっぱりとても見栄えが良くなりますので、良いですね。
苦労した甲斐があったというものです。

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