最近ちょくちょく忙しいので、なかなか制作が進みませんが、全く何もしてないわけでもないCB750です。

色々いじりつつも、多くの作業がパーツの貼り合わせや磨きだったりする段階なので、これといって、わざわざ載せるほどのこともなかったせいもあります。


余談ですが、数日前、車でお隣の家の前を通りかかったら、なにやらでっかいバイクが。
この見覚えのあるシルエット、まごうことなき
CB750FOURの実車が停まってるではないですか!

コレはアレですか、資料探しに苦労している私に対して神様がご褒美をくれたのか!

と小躍りして、こっそり眺めてたんですが、数時間後に見たらもう無かったです、残念、お客さんのだったみたいですね。
買ったんだったら、頼み込んで写真撮らせてもらおうと思ったのになー残念。


てなわけで、少し進展状況を。

まずハンドルのパーツ。

意外と実車のハンドルは長く持ち上がっているのですが、コミックのイメージはもっとコンパクトな感じなので、長さをカット。
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△下がキット、上がカットして短くしたところ。バー自体の角度が違って見えるのは、長さが変わったせいで置いて撮影するときに角度が変わってしまったからで、バー自体の角度は同じ。


次に、自作第一の苦労が、通信機のボックス。
そもそも、コミックでも登場するたびに形も違うし、付いてる場所もタンクの上だったりハンドルだったり場所が変わるという、望月先生のアバウツさを体現した通信機です(笑)
最も登場が多いのはタンクの上に箱がついている形状ですので、それに準じました。

で、これを実際に立体にしようとすると、まず、どうやっても、でかい、タンクに載せるとバランスが悪い。
何度も何度も、大きさや形を変えて作り直しました。
最初はバランスを考えて、かなり小さめに作ったりもしたんですが、1/6というスケールを考えると、あまり小さいのもスケール感がおかしい、最低限、1/6の人間が握れるサイズのマイクが入らないと奇妙なので、割と大きめに直したりしました。
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△最初に作った通信機ボックス。いったんは仕上げたものの、どうしてもデカすぎてバランスが悪いので潰して修正。

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△最初の段階での通信機。フタは開閉式。各パーツは仮置きしただけ。マイクが宙に浮いてしまっているのは、コードを真鍮線で作ってるので、接着しないと伸びようとする力で浮き上がってしまうせい。この写真には写ってないが、最終的にはフタの裏にもスピーカーを追加した。

配置も色々考えて、何度もくっつけてみては外しの繰り返し。
タンクとのバランスを考えて、一度はフィニッシュまで持って行ったタンクの表面を削ったり、パテ盛り直したりしたり、えらく無駄な苦労をしましたね。
色々と試行錯誤しながら、結局、タンクの表面を削り込み、埋め込むような形にすることで、高さをギリギリまで抑える形で落ち着きました。
この状態だと、通信機の底面のほうがタンクの上面より低いんで、タンクの上に通信機が乗ってるのではなく、タンクの中に埋め込まれていることになりますけれど、まあ、飛葉ちゃんカスタムでそれもあるだろうと。

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△最終的に落ち着いたところ。半分タンクに埋め込んだ。上の写真と比べてぐっと収まりがよくなってるのが分かる。

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△パカっとフタがあくように制作。

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△ピンぼけですまんです。前回コードをつけっぱなしだとマイクが浮いたので、外して置いてみた。フタは90度ぐらいしか開かないが、分かりやすく外して置いてみた。フタの裏にもスピーカーをつけた。まだ接着してない仮置きなので、傾いてるのは気にしないで。元にしたコミックでは、フタの裏は平らでそこにスピーカーらしきものが埋め込まれているが、イメージを踏襲して独自の形状にしてみた。


前回触れた、元「ホビージャパン」編集のIさんが、「無理があるなら無くてもいいんじゃね?」と提案してくれたんですけど、なぜか、私、この飛葉のバイクの通信機に異様な執着があって、ここはどうしても作りたい、譲れないところだったんですよ(笑)
なので、かなり時間かかりましたけど、ここは私個人のこだわりとして、最後までやってみました。

コミックでは、通信機のボックスは、通信機使う場面に忽然と出現するだけで、全巻通しても、おそらく数カット、たぶん10カットもいかないぐらいしか出てきてません、普段はノーマルなタンクが描かれてますから、Iさんが言うように、通信機がなくてもいいと思うんですけどもね。
せっかく「飛葉カスタム」のバイクを作るんだから、ノーマルとは違う部分が多いほうがいいし、ま、あるに越したことはないかと思います。

自分でもなんでコレに妙に執着があるのか分からないんですけど、おそらく、子供のときに「バイクに通信機がついている」というのが、凄く特殊メカっぽくて格好良くてシビれたせいで、深層心理に刷り込みが出来たんじゃないかと思います。


次に、泥よけとジェットは別として、通信機と並んで一番困る大物が「シート」です。
唯一、完全にノーマルと形が違うのがこのシート。
飛葉のバイクはシングルシートになっていて(初期の形が決まらない頃は、ダブルシートになってた時もあります)、後部にマグネット分銅の発射装置がついてます。

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△現在制作中のシート。キットのシート裏面パーツをベースに、スチレンを切り出してだいたいの形を作り、ポリパテを盛って制作。形状はまだバランスを見ながら修正中。

後部の円錐形の部分が分銅が収まってる部分、先端部に分銅がそのまま収まってる設定です。
これまた「望月アバウト」(笑)の集大成。
先端部に分銅が埋まっているので、理論的に言えば、先端は分銅の尻が露出しているから平らなハズなんですが、普段の絵ではとがってるんですよ。
で分銅が発射されると分銅の尻が突然平らになるという、なんとも困ったマジカル仕様です(笑)
フタがあいて中から分銅が出る、という解釈にして可動式にしようかとも思ったんだけど、やっぱそれも変なので、そのまま絵のとおりにとがらせてみました。
資料のためにコミックを見返していて気づいたんですが、初期の「バイク騎士事件」では、ちゃんと整合性を考えて、円錐の先端が平らな形に描かれているコマがありましたよ、新たな発見!
でも、とがってるほうが格好いいので、描いてるうちに、その形が定着しちゃったんでしょうね。

最近の「設定重視」なアニメ版ではどうなってたかな? と調べてみたら、漫画とおんなじマジカル変形でしたw

追記:資料としてたくさん見返してみたら、特に「バイク騎士事件」あたりに限らず、初期、というより、前半半分ぐらいまでかなぁ? ちょくちょく、尻が平らに描かれてるコマがある(全部ではなく時々)ことを発見しました。また、シートに関しては、いろんな苦慮があったのですが、それに付随して別の発見もありました、そのへんはまた今度。

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△問題の後部の円錐はリューターに固定、ぶん回して削っていった。


シートの問題はそれだけではありません。
絵だと誤魔化せますが、この形状のシートをそのまま付けると、明らかにシート後部と後輪のフェンダーが干渉します。
おまけに、漫画だとはっきりと実車よりシートが細長い印象があるのですが、イメージのままシートを細くすると、フレームのほうが外側にはみ出してしまうんですよね。
かといってフレームを改造するとその中に収まるパーツも全部改造しないと入らなくなるので、ちょっと無理。
なんとか落としどころを見つけようと、今も試行錯誤してる最中です。

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△あくまでも、適当に乗っけてみただけの状態。まだ円錐の下面をえぐってないため、円錐とフェンダーが干渉して浮いている。この干渉をなんとかしないと形にならない。


てなわけで、今回はここまでです。