銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

カテゴリ:特撮・SF系 > POLAR LIGHTS LOST IN SPACE

さて、なんかもう、途中を記録するのが、とっても面倒臭かったので、いきなり途中経過をすっ飛ばして完成です。
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▲なんつーかもう・・・とにかく「やっつけ仕事」の一言ですので、お目汚しですんません。デキはアレですが、案外ユニークで面白いキットだとは思います。

前回も書いたように、このキット、さすがに古すぎて、金型が相当に痛んでいるところがあり、ツラいキットです。
大きな部分は目線が全体に行くので、ある程度のアラはなんとかなるんで、巨人のほうも相当に痛んではいますが、まあ、組み上げればそれなりには見えます。
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▲べったり体に貼り付いたようなヒゲ?とか、あんまりよろしくない形状ですが、胴体のディテールは半世紀経っても、それなりにさすがです。エアブラシで陰影をつけて吹いたあと、スミ入れとドライブラシで仕上げてます。カラー資料によれば実際の着ぐるみの色はもっと明るいのですが、放送自体がモノクロですから、好きな色にしちゃえばいいかと思います。

問題はフィギュアのほうで、小さいから、ちょっとしたアラで大変なことになっています(あと、前回スケールを1/24ぐらいか? と書きましたが、1/35のほうに近い気がします)
服のディテールの潰れはまだしも、最悪なのが
3人ほど、かなり顔面がひしゃげてる
ということです、顔面というか、頭部全体です、耳が片方無かったり、これじゃ○○○な人です。
手なんかも、かなり
ドラえもん状態です

娘さんなんか、頭ツルツルです、もはやコレは髪ではありません
立派なヘルメットです
一部のフィギュアはあんまりひどいので、ちょっとだけ髪の毛を彫り込んでやったりしてます。
あと、服のディテールはかなり潰れてるので、掘り直したり、手足の袖口をはっきりするよう彫り込んだり、手の指を彫り込んだり、結構ディテールを直してはいます。

あ、ちなみに、塗装でエアブラシを使ったのは巨人の胴体の基本色のみです、フィギュアの服はスプレー、あとは全て筆塗りです。
ぶっちゃけて言えば
いちいちエアブラシを掃除したりして別の色を塗っていくような労力を使う気力も起きなかった
ということですねw

元々、このキットにどの程度ディテールがあったのかは今となっては分かりませんが、比較的顔面ディテールが良いものから推測すると、おそらく、他のフィギュアにも、最初は相当に詳細な顔面のディテールが入っていて、目鼻口までハッキリ彫り込まれていたと思われますが、今や、顔面は溶けた蝋人形状態ですw
ただ、潰れ方がいかにも溶けたようななめらかな潰れ方なのと、同じ1枚ランナー上にあったと思われるフィギュアで、ディテールのバラつきが激しすぎるので、もしかすると、金型が痛んでいるのではなくて、たまたま、私が買ったキットの湯流れ(金型にプラスチックを流すこと)に不具合があって、ちゃんと流れていなかっただけなのかもしれません。

とにかく、さすがに思い入れがない作品なので、これを修復する根性はなく、適当に塗りで誤魔化そう、と思ったんですが、なんせ思い入れがないもんで、塗ってるうちに
もう適当でいいか、それより力尽きる前にとっと完成させよう
と、すんごい適当になりましたw

まあ、この、フィギュアのディテール潰れは前回も「愚痴?」りましたので、話がダブってますが、サーフェーサー吹きまでは、「塗装でなんとかなるかなぁ」と思ったけど、いざ塗ってみたら、思ったよりも辛かったので、あらためて言いたくなったわけですよ(笑)

これを作ってみて、タミヤのキットのように
目などのディテールがきっちりしていると、いかに塗装のガイドになってありがたいか
ということを痛感しました。
のっぺらぼうの顔に目玉描いたり眉毛描いたりするのは、絵を描くのと変わりませんもん、難しいです。
さすがにアップにするのは辛かったので、適当な距離をおいて写真を撮ってますw
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▲おそらくこっちがドナルド・ウエストさん。銃で応戦です。服のディテールは掘り直しです。肩の赤ラインは、元々入ってはいるのですが、ディテールが潰れているのが大半なので、全フィギュア、伸ばしランナーを巻いて作り直して表現しました。本当は袖にも赤ラインが入っているのですが、細すぎるのでオミットしました。ところで、ずっと昔から思ってたんですけど、若いお嬢さんと奥さんいるところに、一人だけ部外者の若い男乗せちゃ、色々間違いが起きると思うんだけどねw

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▲お父さんのジョンは銃で応戦、息子のウィリアムはさすがに銃を持つには若すぎるので、石で応戦です。
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▲奥さんモーリーの手をひいて逃げる次女のペニー。あれっ、これ書くまで全く疑問に思ってなかったんだけど、これ、奥さんだとばかり思っていたけど、もしかすると長女のジュディのほうかも? どっちにしても、一人足りないよなぁ。大人が子供の手をひいて逃げる方が自然だと思ったんですけど、どう配置しても、そうなりませんでした。岩場に「LOST IN SPACE」のタイトルが掘られてるセンスがイカしますね!


あと、巨人を塗装後に、派手に机から落っことしてしまい合わせ目にクラックが入っちゃいました(T.T)
ま、相当近くで見ないと分からないでしょう。
それと、落ちた衝撃で爪が折れてどっか行ってしまったので、プラ棒を削って急遽作り足したりと、馬鹿みたいに無駄なことやってますw
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▲ベースの構成は、板状のベースと、岩のたった2パーツです。2パーツの割に、塗装するとそれなりに映えます、このあたりはさすがです。チャリオットつきの豪華バージョンの場合も、なんと岩パーツはそのままで、下に別の岩場を挟み込んで、かさ上げする作りになってます。

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▲すんごい不細工なアレなんですけど、実際の着ぐるみがこんなんです。バランスがちょっとアニメチックですが、顔はよく似てます。ただ、何度も言いますが、この体に貼り付いたみたいなヒゲはなんとかならなかったのか、と思いますね。もっと、着ぐるみはもさもさです。

フィギュアの配置については、特に固定穴などはないので、ネットで「AURORA LOST IN SPACE」と検索すると分かりますが、みなさん、思い思いの形に配置してて、自由度があると面白いと思いますね。
まあ、さすがに金型の痛みが激しく、それほどパッとしたキットでもないので
オーロラのファンか生粋のマゾヒストでも無い限り、あえて面倒な苦労を背負い込むキットではないと思います
が、こういう、フィギュアつきのジオラマ風キットって、なかなかお目にかかれませんし、ポーズはかなりアレですが、各キャラクターの動きが個性的でユニークなので、楽しいことは楽しいと思います。

完成品から苦労を察して貰えたら幸いです。

最後にこのキットですごく気になるのは
ドクター・スミスはどこいったんだ?!
なんかいないと淋しいから、オマケでいいから付けて欲しかったな。

かつてオーロラから発売されていたキットの再販です。
初版は1968年の発売だと思います。
すげえですね、ほとんど50年前のキットですよ。
私が、まだおむつしてる時代ですよ。
今見るとショボい見栄えですけれど、50年前の日本のプラモデルを考えて貰ったら、今でも充分通用するのは凄いことが分かると思います。
スケールはありませんが、フィギュアのサイズからして、おおむね1/24ぐらいでしょうか。
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まあ、オーロラに関しては別枠で書いてますので、オーロラ談話はオミットしますが、時代を考えれば、凄いキットですね。


さて、まずは元ネタから。
日本放送時のタイトルは、言うまでもなく
「宇宙家族ロビンソン」
ですな。
う~ん、緊迫感がゼロの素晴らしいタイトルですねw
そもそも、これ、「ロビンソン・クルーソー(ロビンソン漂流記)」のSF版というコンセプトなんですから、ロビンソンとつけるのはいいですけど、せっかく日本語タイトルにしても、元ネタを彷彿とさせないんじゃ意味ないと思います、「ロビンソン家族宇宙漂流記」とかならなかったんでしょうかw

「LOST IN SPACE」は以前、同名でリメイク版の映画も出来ました。
監督は当時、低予算映画でその才覚を見せつけていたスティーヴン・ホプキンスですが、この映画でから駄目監督となりました、たぶん(笑)
でも映画版は、テレビ版のロボットのパーツがさりげくなく転がっていたりと、オマージュの入れ具合が結構しっかり上手でして、SFXのデキは素晴らしく良いので、そこそこ楽しめると思います。
宇宙船は現代風にアレンジされていますが、離陸時の大気圏突破用の外装がテレビシリーズの形になっており、異常なほどハイテンションなSFXと相まって、感涙ものでした。

ところでこの「LOST IN SPACE」ってタイトル、以前も一度書いたと思うんですが、直訳すると「宇宙で迷子」ですから、日本語で考えたらデパートの迷子呼び出しみたいで、英語は英語で、あんまりなタイトルですよね(笑)

さあ、ぶっちゃけます。
私は子供の頃はいっぱいSFドラマ見てましたが、「宇宙家族ロビンソン」は一度もちゃんと見たことがありません。
断片的には見てますが、正直、しょうもないドラマだと思いました(笑)

以前、シービュー号のキットでも書いたんですが、製作は[タイムトンネル」や「海底科学作戦」などのアーウィン・アレンです
この人が製作した作品は全部
設定やメカニック、特撮には凄くそそる部分がある
にも関わらず
それを全部台無しにする脚本や設定が特徴だと私は思っています(笑)

あと、アレン作品は、最初のほうはシビアで良いんですけど
必ず回を追うごとにグダグダ感が増していくのも特徴ですね(笑)
分かる人には「シークエスト」とか「宇宙空母ギャラクティカ(旧作)」みたいと言えば通じやすいかと。

「宇宙家族ロビンソン」なんか、最初は割とシリアスものだったんですが、最後のほうは、登場人物が、かぶり物したりと、完璧にフジテレビのお笑いバラエティショーみたいになってました(笑)
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▲後半はこんなん真剣にやってますから、役者も大変ですね、昔のフジテレビのバラエティ番組を思い出しますw

なんせこのアレンさんのもとに、当時、ジーン・ロッテンベリーが、後に伝説のシリーズとなるSFドラマ「スタートレック 宇宙大作戦」の企画を持ち込んだところ
「なかなか素晴らしい企画だね。でも、我々はもっと素晴らしい企画を手に入れたんだよ」
と言って断った、という有名な逸話があります。
その「もっと素晴らしい企画」というのが、「宇宙家族ロビンソン」だったのですから、いかに見る目がないか、企画がうまく生かせない人かが、よく分かるエピソードです(笑)

はっきり言って、アーウィン・アレン作品は、私はどれもたいていメカと基本設定は大好きなんですが、ドラマはしょうもないので好きじゃないわけなんですけど、アレン作品が今でも愛好される理由のひとつは
メカニックに対するセンスだけはすごく良い
せいではないと思います。
しかし、アレン作品の中でも、あんまりメカも格好よくない部類が、この「ロビンソン」だと思います(味はありますけれど)。
けど、やっぱり特撮は良いです。

蛇足ですが、近年、Youtubeなどを見ていると、40年も50年も前の映画のロケ地を探し出してきたビデオがあったりと、マニアの熱意には頭が下がりますね。
マニアの動画で、はじめて、ロビンソンのSFXシーンの多くが、スタジオ撮影ではなく、実際の風景にミニチュアを持ち込んで撮影したものだと分かりました。
あのSFXの臨場感はそのおかげなんですね。

さてさて、というわけで、思い入れもなく、このキットも実売では4千円以上したと思ったので、絶対にその値段では買わないレベルの執着なんですけど、「フライデー」のキットと2個で3000円でヤフオクで手に入ったので買いました。
また蛇足ですが、「フライデー」は、「禁断の惑星」のロビーと並んで有名なロボットキャラですが、これは日本で勝手につけた名前で、英語ではただ「ROBOT」と呼ばれてます。


さて、キットですが、このキットは、「宇宙家族ロビンソン」の中で、たぶん一番人気の高いゲストキャラ、シーズン1のEP4(確か)There Were Giants In The Earth に登場した、一つ目巨人のキットです。
(追記:その後の2部構成の16話にも再登場しているようです。)
アチラでは、一つ目なので「サイクロプス」もしくは単に「ジャイアンツ」と呼ばれているようです(確か一匹しか登場しないと思いましたが、なぜか複数形です)。
ロビンソンがカラーになったのは第二シーズンからで、このエピソードは第一シーズンなのでモノクロなのですが、現在では、カラー動画がYoutubeなどで見られます。
 
前述のように、私はこの作品に思い入れがないので、あまり詳しくないのですが、このカラー動画は撮影時のお蔵入りフィルムで、おそらくDVDボックスなどの特典だと思われます。
カラーの映像が現存するということは撮影自体はカラーフィルムで、Wikipediaには「モノクロ製作を希望したが果たせなかった」とありますが、厳密にはコレは間違いでしょう。
テレビのモノクロからカラーへの過渡期には、カラーフィルムで撮影していても放映はモノクロ、というのは、日本の特撮ドラマなんかにも割とありました。
(追記:その後の調べで、どうも現存するカラーフィルムはパイロット版の没フィルムのようでした。アレンは元々カラー放送を望んでいたので、パイロット版の段階ではカラーで撮影されていたようです。パイロット版に登場したこのモンスターが良かったため、放送エピソードで追加撮影されて登場したらしいです。着ぐるみ俳優の写真で違う人間が写っているものがネットに出回っているのに首をかしげていましたが、追加撮影時は違う方が演じたからのようです)

(追記の追記:その後読んだ記事によれば、キグルミに普通の毛つき革を使用していたため、あまりの暑さに一人では長時間演じられず、二人交代で演じていたそうです。後述するように、キグルミの見た目が「あちゃー、失敗しちゃいました」的な出来なのは、普通に毛皮つき革を使ってたせいのようです。もしホンモノの毛皮つき革のカーペットなどを見たことがあれば、あの巨人の質感は「あっ、なるほど!」とすごく納得いくと思います)


さて、話をキットに移します。
このキット、おそらくチャリオット(探検車)つきのキットと、なしのキットがあったようですが、再販されているのは、たぶん「なしバージョン」のみです。
以前から書いているように、私は模型ではオーロラのキットが一番好きで崇拝してると言ってもいいと思いますが、個人的な主観でいうと、オーロラのキットには2種類あると思います。
2種類、というか、2パターンの組み合わせで2x2の4種類かもしれません。

何かというと、第一が
もの凄くバッチリ情景やポーズが決まっているキット

イマイチ情景にセンスが感じられずダサかったり、ポーズが妙だったりするキット
です。

第二が
パーツ割や合いが素晴らしいキット

パーツの合いや割り方がすごく悪いキット
です。

この2要素の組み合わせで4パターンですね。

さて、何が言いたいか、察した人は察したと思いますが、このキットは
2つの要素が、両方とも駄目な方のキットです(笑)

すんごい隙間あきます、ひどいです
作ってて
あー、そういえば昔の海外キットってこうだったよなぁ
って
出来れば思い出したくなかった懐かしい郷愁を味わってしまいましたよMPCのスターウォーズとかモノグラムのギャラクティカとか(笑)

ま、そんなキットなのと、思い入れがないので、特に手を入れず、ストレートに組みます。

ただ、言い訳ではないのですが、このなんか・・・まあ、ハッキリぶっちゃけちゃうと
ポーズだっせぇ!
的なキットでも、オーロラのキットってのは、それはそれで、何か
ダサいけど味がある
んですよね。
そこがオーロラのすごいとこです。
ポーズを直すとか、へたにいじると、その持ち味みたいなものを殺してしまいます。

まあ、このキット、誰が見ても、巨人は
ダセえ!
と思うと思いますが、実際のところ、劇中に出てきた巨人自体が、なんつーかな、上に掲載した動画を見れば分かると思いますが
あー、すいません、植毛失敗してこんなんなっちゃいましたけど、どうしましょうか
スケジュールに余裕がないから、しょうがない、このまま撮影しよう
的にしか見えない、かなりアレなデキなのです
「帰ってきたウルトラマン」後半の怪獣状態です、ゼットン二世状態です。
これは、どうひいき目に見ても、絶対に「最初にデザインで意図した通りにスーツが出来た」という風には見えません、というか、間違いなく意図したものじゃないと思います(笑)
その元のダサさ加減は、キットによく表れていると思いますし、この
イメージの再現具合の見事さ
は、やはりオーロラだと思います。

あと、キットのデキとは別に
お前、何か宇宙で悪い病気にかかったのか?

と思えるような、ぼっこぼこがフィギュアの体にいっぱいついてたり、顔が潰れてたりします。
早い話が、金型の痛みがかなり激しいのですね。
フィギュアは5体付属していますが、一部頭が潰れていたり顔が欠けていたりもして、なぜか5人の服装が3パターンぐらいあるように見受けられますが、このキットが再現しているのは、劇中で出てくる銀色の宇宙服バージョンで、全員同じ服を着ていたはずです。
要するに、違って見えるのは、金型の微妙な凸部分の服のディテールが潰れているせいなのですね。
ちょっとは再販前に修復して欲しかったところですが、ぶっちゃけ全修復は非常に困難、というか、思い入れがないキットなので、そこまで手間かける気がしないので、肩周りの赤いラインが潰れて無くなっているのをランナーで追加したり、線を掘り直したりと、部分的にだけ直しました。

まあ、毎度お馴染みですが、第一回は、ほぼごたくだけです、最近は、あつこち手ばっかりつけているので、果たして続きはあるんでしょうかw

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▲こんな感じで、かなりアレなキットです。とにかく、合わないパーツを強引に接着することからはじめます。

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▲ご覧のように、隙間あきまくりです。

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▲ガレージキット感覚で、隙間にどんどんポリパテを盛ってやり、あとでリューターでディテールをつけつつ、ひたすら削っていきます。


ところで、前に怪獣ゴルゴを作った時にも、ガレージキット感覚でゴリゴリ削ります的なことを書きましたけど、よく考えると、自分は20年以上、キャストキット作ったことないんですよねw

ま、とりあえず今回はここまでです。






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