銀河ぐらますガイド 造型分室

元プロモデラー・もこもこフジタの、やっつけ模型ブログ

カテゴリ: アニメ・コミック系

今回は、製作記事ではなくて
こんな製品もあったよ
という紹介話です。

んなわけで、今回ご紹介するのは(なんかテレビショッピングみたいだな)
昔、トイズワークスから発売されていた「アイアンジャイアント」のソフビフィギュアでございま~す

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▲きちんと撮影するのが面倒だったんで、写真がテキトーなのはご容赦。これはネットから拾った写真。製品の詳しいことは後述。


本家のほうのブログに、名作アニメ映画「アイアンジャイアント」の記事を書いて、「3Dプリンターで作ってます」的なことを書いたところ、同じく「アイアンジャイアント」ファン仲間のプロモデラー、野本憲一氏から
俺、昔作ったんだよ、知ってる?
とメールが来まして
いや、大変、よく存じてますともよ(笑)

だって、そもそも、3Dプリンターで作った経緯が
久々に映画見てアイテムが欲しくなったんで、その、野本氏が原型を作った製品を中古で探してみたんだけど、無いか、あってもプレミアついて馬鹿高いんで、仕方なく3Dプリンターで自作してた
というわけだったんで(笑)

で、話のついでに「もし、余ってたら頂戴」とか言ってみたら、送って頂けました、なんと本までつけて。
感謝~m(__)m感謝~



さて、この「アイアンジャイアント」のフィギュアですが、私は当時、野本氏から話を聞いていたので、彼が原型を作っているのを知っていたのですが、製品とか広告には原型制作者の名前が表記されてなかったんです。
今回、初めて知りました。
なので、おそらく、あまり氏の作品として知られていないと思われる製品です。

パッケージの表記によれば、発売は2000年だと思います
定価は12800円でした、高いなぁ。

全高30センチほどという巨大なもので、パッケージに公式なスケール表記はありませんが、野本氏の話によれば1/35スケールだそうです。

当時から野本氏に聞いて知ってたんで、なんとなく見てはいたんですが、今、あらためて見ると、時代柄というか、いや、おそらく、2000年当時でも、これはかなり地味・・・えっと、歯に衣着せてますが、はっきりいえば、時代遅れっぽい製品だったんでしょう。

なんせ、ボディのグレーは成形色のまま、塗ってあるのは濃いメタルの部分だけです。
なおかつ、ほとんどが一体成形で、動く関節は肩と股間と首しかなく、円柱部分は回転するだけなので、実質、素立ちか、足を投げ出して座るしかポーズが取れないという、最近の
塗装ブリブリ、関節可動バリバリ
なソフビフィギュアを見慣れていると、呆れるほどのシンプルさです。

まあ、正直
コレはあまり売れないだろうなぁ
という製品であります、すいません。

では、しばし、製品の写真をご覧あれ。

実は撮影した写真が全体に暗いので、一度多くの写真をバッチ処理で補正したんだけど、なぜか補正がうまく効いてなかったんです。
もう一回やり直すがしんどかったんで、暗いまんまですけど勘弁ね。

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▲長年箱に入っていたので、足がひしゃげっちゃって、自立が不可能。細い脚なのに、特になんのサポート材も入ってないので、そら経年劣化もするわ、という。いかんせん、こんなでかいもの簡単に撮影できる環境がないんで、背景が適当だけど勘弁。

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▲肩は接着しないといけないので、テープで仮止めしてる、ごめんちゃい。雰囲気はまさにジャイアント。すーぱーまーん。


むろん、製品の仕様は野本氏の責任ではありませんので、デキ自体は、シンプルに一体化されながらも、ディテールやバランスがとても良く出来てます。

もー、ルックスが、映画のジャイアントの雰囲気そのまんまです。

映画のあの絶妙のルックスを立体化しようと思うと、微妙なライン取りで印象が変わると思うので、かなり、難しいと思います。

そこらへん、さすが野本氏ですね(本人が読むはずなので強調)w

あの当時は、今ほど、検索一発でどばーんと溢れるほど資料が出てきた時代でもなかったんで、作るのも大変だったろうと思いますな。
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▲どーよ、このルックス。ジャイアントそのもの。さすが、のもっち。すーぱーまーん、あ、さっきも書いたっけ。偶然だけど、写真が暗いおかげで、目が発光してるように見えて、案外いいですな。製品では単に白く塗られているだけ。

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むろん頭の凹みも再現。でも、マニアックアイテムだから、凹みバージョンと凹みなしバージョンと両方つけて欲しかったところですな。関係ないけど私のジャイアントのイメージは古い鉄板なので、溶きパテで表面を荒らしたいところ。

各部のディテールは、関節などは一体成形なので見える部分だけが作られていますが、カッチリしてていい案配です。

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▲各部のディテール。関節部は一体化されてしまっているので、可動部の隙間があるようなところは残念ながら埋まってしまっているが、制約の範囲内でしっかり作り込まれている。リベットがいい味出してるね。

まあ、雰囲気と各部のディテールが素晴らしいだけに、逆に
これで動いてポーズが取れたらなぁ
と、とても残念に思わせる製品でもありますが。

元々、3Dプリンタで作っていた段階の構想から、固定ポーズのジオラマにしたいと思っていたので、いつか改造してポーズをつけてやりたいと思ってます。


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▲足は長年の重圧により(笑)ひしゃげちゃってる。見てのとおり、実は足はサンダルを履いたようになっていて、足裏は別パーツ。

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▲こんな感じで足がサンダルのような別パーツになっている。こりゃ単に、抜きの都合でしょうな。

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▲動かないので、足首のパーツやすねのシリンダーなどは一体化されている。このあたりが残念な仕様。野本氏も原型を作っていてフラストレーション溜まったんじゃないかと想像するんだが、どうか?(笑)

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▲足の裏までカンペキ再現。カッチリしてる。


実は、ソフビの製品だけではなく、手元にあったキャストキットも送ってくれました、なんて至れり尽くせり、感謝。

原型を型取りしたものですが、ソフビの型を作るために抜いたものかと思ったら、どうやら、この状態でキャストキットとして限定販売もされたようだ、とのことです。

しかし、全高30センチのジャイアントのキャストですからね、ムクですからね
でかいよ、重いよ!!
殴られたら頭割れるよ、凶器だよ、さすが惑星破壊兵器!(笑)

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▲さすがに大きすぎて全部並べて写真撮れなかったんで、主要パーツだけ。でかい、重い。

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▲キャストのほうが、やはり若干エッジなどがしっかりして、カッチリした印象がある。

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▲どのぐらいでかいかというと、このぐらい。重さを想像してけれ。


で、実は、コレ、送ってもらったの、ずーっと前で、「必ずブログに載せて紹介しますので」って言ったきりになってたんですが、いつまで経っても載せなかったのは、単に
なかなか撮影してる暇というか手間をかける気力がない
っていう理由がまずでかい。
なんせ模型を仕事にしてるわけじゃないんで常時撮影できる環境なんか整ってないから準備が面倒。
特に大きなものを撮影するときは、背景とか考えるとセッティングが面倒すぎて、なかなかやる気がしないわけです。

というのが、普段から自分の模型でも、なかなか撮影をしない理由でもあるんですが
送ってもらっといて、不義理してんなぁ、悪いなぁ
とずっと思っていつつ、これだけ遅れたのには、
ちゃんと??もうひとつ理由があるんですよ。

それは何かっていうと
日々の合間合間に、ちょっとずつ、コレを作っていたからです▼
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3Dプリンターで作った1/35ホガースでぃす。
まあ、アニメキャラで等身ムチャクチャですので、どう1/35かわかりませんが、だいたいで。
プリントの精度があるんで、若干、大きめにしてます。

せっかくなんで
どうせソフビを紹介するならツーショットを撮影したかった
ということで、時間がかかってしまったわけなのです。

まだ、フィニッシュ前の途中段階なので、粗が目立ちますが、ある程度、見られるようになったんで撮影してみました。

野本氏と電話で話していたときに、安い3Dプリンターの性能はどんなもんか知りたい、というような話をしていて
んじゃ、こうやって作ってみせれば良いサンプルになるだろう
と、そんな意図も入ってます。

基本は、プリントして、フィラメントの積層跡の表面処理をして、ちょっとエッジなんかを直しただけです。
どーでしょ、2万円台のプリンタでも、ここまで出来ますよ、野本さん、参考になりました?(笑)


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▲いいでしょう、このツーショット。やっぱジャイアントは、ホガースとセットじゃないといけません。コンビではじめて成り立ちますな。

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▲元のデータはネットにあったフリーデータだけど、プリント用にいじってる。別れのシーンのフィギュアなので、悲しそうな顔をしてる。プリントで顔の表情まで出てると思う。


このプリントはかなり綺麗ですが、ただし、ここに至るまでが、相当の苦労を伴います。
最低でも、10回以上は、テストプリントを繰り返してますかな。

野本氏と電話でも話したんですが、3Dプリントの結果の優劣は、プリンタの性能はむろんですが、安いプリンタでは、スライサーの設定と、いかにデータをいじるかが大きい要素だと私は感じてます。

そのへん、試行錯誤でテストプリントしながら、最良の結果を求めていくわけです。

設定はもう、試行錯誤なんでなんとも言えませんが、ソフトに細かい設定が存在しないと意味がないから、私は無償版の「CURE」を使ってます。
もう、CURE、全表示したら、馬鹿みたいに設定項目多いですからね、たいてい英語ですしね、さっぱり分かりませんわね~、極めるのはまだまだ大変です(笑)

データに関しては、一般に3Dプリントはどんなテーパーでも印刷できるんで、世に流布しているデータは一体化されてることがほとんどですが
アレ、良くないんですよ

やはり、機械が稼働して印刷するわけですので、プリントに向いたパーツの向きや形などはあるんですよね。
そのへんを考慮して、適切にデータを分割してプリントする、という技能が必要かと思います、インジェクションキットの分割と似たようなもんですかね。

特に、モデラーさんが模型として作る場合は、造型の素人とは違い、自分であとから出来たものを加工できますからね。
最初から「完成型を目指す」のがベストなわけではなく、場合によっては、たとえば「この部分は、あとからナイフで彫り込むほうがいいだろう」とか、加工を前提としたデータにするのも良いと思ってます。

だから、フリーデータをプリントするだけでも、データ加工にMesh Mixerは必須です。


というわけで、長くなりましたが、今回は「アイアンジャイアント」の紹介でした。

最後にもう一度
野本氏に感謝m(__)m

アイアン・ジャイアント シグネチャー・エディション [Blu-ray]
ジャニファー・アニストン
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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▲毎度お馴染み合成写真から。屋外で空バックに撮影したんだけどね、うちのベランダから撮影すると、どこ向いても電線とか入ってしまうんだよね。最初は電線だけレタッチで消そうかと思ったんだけど、いっそ空ごと合成したほうが楽だったので、結局背景だけ抜いて、空の画像と合成してみた。かっけ~ぜ!スパイディ(スパイダーマンの愛称)


メビウスモデルから発売されている、1/8スケールのスパイダーマンです。

ずいぶん前から手をつけていて、ちょくちょく磨いてはいたんですが、ようやく完成しました。


発売時期は比較的新しいのですが、映画の模型化ではなく、コミック、それも昔のコミックを模型化したものです。
というか、スパイダーマン自身はほとんどスタイルが変化してないので、いつのコミックでも同じようなもんですが、同時に発売されている「グリーン・ゴブリン」が昔の三角帽子かぶった悪魔みたいなアレなデザインですんで、それと同じ時代のコミックがベースということになります。

キットに「スパイダーセンス」という名前がついているように、これはスパイダーセンスのキットです。
スパイダーセンスは、映画では、はっきりと登場しませんが、スパイダーマンが蜘蛛の能力で危機を察知する超能力のようなものです。
映画でも出てきたように、基本、スパイダーマンが待機?してるときはこのポーズなので、一種のスパイダーマンのキメポーズですね。

アチラには、ビルの屋上によくある彫像の台座が付属してます。

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▲キットのメーカー作例はこんなん。ポーズがキマってる。シンプルでいい感じ。

余談ですが、この台座はグリーン・ゴブリンと共通で、右向き、左向きどちらにでも組めるようになっており、双方を左右に向けて組み合わせて配置できるようになっています。

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▲組み合わせるとこうなる。なんつーか、ゴブリン、まさに「小鬼」だよねコレ。妖精さんかと思っちゃうよ、サム・ライミ版の映画のイメージがあると、笑っちゃうギャップだね。


メビウスさんはこういうの好きですね、クラシックテレビシリーズのバットマンのキットでも、各キャラクターの台座が組み合わさるようになっています。
バットマンも欲しいんですが、手を出すとキリがなくなりそうなので(バットマン、ロビン、ペンギン、キャットウーマン、リドラーがある)、保留してます。
メビウスさん、好きっつーか、一個買ったら、他も欲しくなるような仕掛けなんだろうね、この商売上手め(笑)


私は、それほどスパイダーマンに思い入れはないです。
アメコミヒーロの中では、それほど好きなキャラではないんですけど、このシリーズは「模型として、なにか面白い」ので買いました。
グリーン・ゴブリンも作りがいがありそうだったので買ってあるから、そのうち作りたいと思います。

以前から「こんな出来のいいフィギュアがごろごろしてる時代に、わざわざ苦労してプラモを組み立てるのは、なんでなんだ」というような話をちょくちょく書いてますが、この
模型として面白い
という理由で買ってしまうというのは、フィギュアには無い、プラモならでわの楽しみなんじゃないかと思います。 

我々の子供の時代は、こういう「大きなフィギュアのプラモ」ってのは、オーロラのキットだけではなく、1/6の兵士のキットとかもあって、結構アコガレの対象だったので、 こういうのを見ると、今でも欲しくなっちゃうんですよね。

すごくシンプルなんだけど、情景模型として、すごくうまくまとまってると思います。

こういう素晴らしいセンスは、国産の模型には無いセンスのなので、作るのがすごく苦労するのが分かっていても、ついつい毎度毎度海外製キットを買ってしまう要因になってます。


さて、キットの内容は、すんごいシンプルです。
胴体、腕、手、脚それぞれ二分割+顔で、パーツはそれだけです(笑)
巨大なビルの彫像のベースが付属しており、はっきり言って、どっちが主役か分からないぐらいの存在感ですな(笑)
このベースをあわせても、パーツ数21個です。

海外キットなので、結構なお値段がしますから、箱をあけた瞬間、ちょっと絶望的な感じになりますよ、でっかいパーツがゴロゴロ入ってるだけ、これでン千円かよ! と(笑)


さて、キットの出来ですが、プロポーションやポーズのキマり具合は実に素晴らしい!
なかなか、かっけーです!!
ですが、おそらく原型を分割して型どりしていて、パーツの分割部分がかなりぞんざいです。
一応、黒いラインに沿って分割されてるという気遣いは見られますが、なんていうのかな
刃の分厚いノコで切って、ノコの厚み分、修正せずに、そのまんまパーツにした
みたいなカンジです(笑)

パーツ間のスキマがあきまくるので、結局、一度全部スキマを埋めてしまい、後からラインを掘り直すハメになります。
編目の黒いラインの溝も結構ガタガタですよ、キャストキットでいまいちミゾ彫りがシリコン型に気泡入っててうまく抜けてないような状態を想像してもらうと正解です。
表面も処理がいいかげんでデコボコしてるところが多いので、ま、ほぼ、キャストキットを作っているような感覚で、全面に磨きを入れないといけません。

ベースがね、またでっかいんで、スキマ埋めるだけで大変なんですよ。

冒頭で「ちょくちょく磨いていた」と書いたのは、そういうわけで、スキマを埋めて、表面処理を綺麗にするだけで結構な時間がかかったんですね、ほとんどの作業時間は、そこに費やされてます。

毎度書いてますが、バンダイのSWキットを作ったりしていると、こういう海外のキットが作ってる途中で嫌んなっちゃいますね(笑)
前回のタイインターセプターで「苦労するキットばっかり作ってるとストレス溜まるので、たまに楽なキット作りたくなる」みたいなことを書きましたが、実はその要因のひとつになってたのがコレでした(笑)


あと、スパイダーマンのコスチューム、継ぎ目がないものですから、塗装後にパーツを接着するわけにいきません。
先にパーツを全部貼り合わせてから、スキマを消すことになります。

つまり、モデラーなら一目でおわかりのように、ポーズはいいんですが
めっちゃマスキングしにくい塗装しにくいポーズ!!!
なんですよねコレ(笑)
 

塗装は、本来は昔のコミックなので明るくケバいのが正解でしょうが、最近のサム・ライミ版の映画や「アメージング・シリーズ」の暗めのイメージで、割と渋めにしてみました。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」や単独映画の「ホームカミング」では、結構、明るめの色に戻ってますけどね。
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▲すんごいマスキングしにくいポーズ(笑) まずシャドウ吹きをしてから、赤と青を吹いた。

でもさ、これ、昔のスパイダーマンだから網目模様が溝なんだけどさ(ライミ版映画などでは凸)、結構豪快にミゾ入ってるけど、溝が0.3mmの深さだとしても、1/8だったら、実物だと2.4センチじゃん(笑)
2.4センチの溝があるコスチュームって、ものすごい分厚いよね、ってかもう肌にミゾ掘ってあるよね(笑)

 
本体以上に存在感のあるベースは、せっかくなので気合いを入れてみました。 
塗装には、実験的にアサヒペンのストーン調スプレーというヤツを使ってみました。
この塗料は、要するに塗料の中に砂のような粒子が入っているのですね。
吹くと表面がザラザラになり、石のような感じになります、まあ本来、こういう彫像は石の削り出しですから、ザラザラなわけないんですがイメージです。

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▲アサヒペンのストーン調スプレーをネットで見かけたので、試しに購入してみた。ただ吹いただけだとこの状態。表面がザラついたカンジになる。

塗料そのままでは、単色ですんごいのっぺりしてますので、めいっぱい、ブラウンで ウォッシングを施してやり、汚れを描き加え、ドライブラシで仕上げ、メリハリをつけてやりました。
割といい感じに仕上がったと思います。
あ、そうそう、ベースの黒い部分は黒サフェーサーそのまんまです。

ぶっちゃけ
本体より、ベース塗ってるほうが楽しかったです(笑)

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▲ウォッシングしてメリハリをつけ、ドライブラシで凹凸を浮きたたせて、雨汚れを描き加えてやった。


まあグリーンゴブリンも同じベースなので、この作業をもう一度やると思うと、さすがに嫌になってきますけども。
2つ並べるとなると、同じように仕上げないと、統一が取れないよね。
あとで、「ベースだけ2つ同時に作っておけばよかった」と後悔しました(笑)


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▲本当は、以前作った「キャプテン・アメリカ」と共通カラーにしようかと思ったんだけど、キャプテン・アメリカのときに作った塗料が少ししか残ってなかったので断念。

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▲びーるの~、たにまのくらや~みに~♪ どうしてもこの歌が脳裏に浮かんでとまらなくなる人はジジイです(笑)





毎度、本家からの再録です。
タカラトミーさんが出していた(過去形だけど、今でも売ってますが)、1/48の模型というか、トイのアズティックギアシリーズから、ファッティー地上用B型です。

以下の文章は、本家に掲載したときの文章に、若干手を入れたものです。

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昔、タカラトミーが出していた「装甲騎兵ボトムズ」の
1/48 アクティックギアシリーズ 陸戦ファッティーB型
でげす
制作は、たぶん2008年か、それ以前ぐらいだと思います。

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同シリーズのスコープドッグ・ターボカスタムといっしょに、簡易ディオラマ風にしてみました。

なんでこのチョイスかっていうと、これに関しては、別に好きなわけでもなんでもないです。
というかどっちかというとボトムズ本編しか知らない人間だし、宇宙用ファッティーはいいんですが、陸専用ってのは格好悪くて嫌いなんです。

まあ、アレです、ずいぶん前に作ったんですが、色々事情があって作っただけで、別に好きなアイテムだったわけじゃ全然ありません。

このチョイスはなぜかというと、単に
中古品が安かったから
です(笑)
それ以外の理由はもう全く一切ありません

このシリーズ、単に、アレコレよく動いて遊べる、ということがメインのシリーズなんで、
要するにオモチャです
お世辞にもデキがいいとは言えません

いや、全体の形状はそこそこいいと思うんですが、パーツの合わせ目がやたら段差があったり、パーティングラインがそれこそズレズレだったり、細部のデキは相当にアレです。
きちんと細部が出来てないわ、エッジがダルいわ、引けてるわ、色々アレ。
スコープドッグなんかは、プロポーションもそこそこいいと思うんですが、ファッティーというアイテムは、元々、大河原デザインは、ぶさいくなんですよね。
なんせなまえが、訳すと「でぶちん」ってぐらいですからね、格好悪くて当たり前(笑)

でも、やっぱりアニメは、格好よく描かれちゃったり、「青の騎士」シリーズに登場するファッティはスマートで格好良くて、まあ、俺もずいぶん、ガレージキットの原型とか作りましたが、次第にそーいうイメージにシフトしちゃってきちゃっているので、今時、ファッティーを作るとなると、普通、そちら寄りの形状になるのが定番です。
ですが、このトイは、モロ、大河原バランスなので、忠実だけど、格好悪いんです

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▲ずーっと遙か昔、WAVEさんで原型を作らせてもらったファッティー(というか、ファニーデビル)。まだ、ガレージキットにポリキャップを入れるのもポピュラーじゃなかった固定関節の時代のものなので、やたら細部に凝るという傾向もなかった時代だけれど、珍しく、この作品ではコクピットまで再現している。割と当時は1/35のガレージキットで内部まで作るのは珍しかった。原型だけでなく、この記事の作例自体も俺。
ホビージャパンからの無断転載なので、マズかったらごめんちゃい。

20年以上前だよねぇ? コレ。うっわ、歳食うわけだ。


まあ、基本的に「動かして遊ぶ」ことをメインにしてるトイなので、壊れやすいディテールとかはオミットされてるし、細かい部分は軟質樹脂で出来てたりするので、ディスプレイ用に仕上げるのはなかなか大変です。
しかも小さい、1/48だから、9センチぐらいの大きさしかありません、だからこんな風に接写するとかなり荒く見えますが、そこは勘弁。

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見ての通り、超ちっこいサイズ。手の平サイズのオモチャです。

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ご覧のとおり、元のトイは合わせ目もばりばり、ズレて筋出まくりのアレなデキなので、接着してペーパーで合わせ目を修正してやります。この元写真と比べて貰うと、かなり手を入れてるのが分かると思います。
ご覧のとおり、バランスがもっさい、というか、上半身がたくましすぎます、60歳超えていまだ現役のスタローンかよステロイドやりすぎだよお前血管浮きまくってんじゃん! ってぐらいにたくましいです
なので、腕など太すぎてバランスが悪い部分は幅をつめたりしてます
けど、元デザインは、割とこんなバランスの悪いイメージです。

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全体に溶きパテを塗り、鋳造表現を追加。鉄板というか板で出来てそうなところだけはツルツルにして質感を変えてあります。
ああ、言わずもがなの、ポーズは完全固定です

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ちょっと分かりにくいかもしれませんが、元のミサイルポッドには、「お前は原発の活断層か!」ってぐらいに段差が走ってましたので、側面のモールドは削り落として、平らにした後、モールドを伸ばしランナーで追加し直してます。

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銃回りなどは特にいじってませんが、合わせ目ズレが激しいので、ひたすら削り込みです。よく分からないと思いますが、手の表情がなくて格好悪いので、指は削り込んで往年の「藤田指」にしてます。

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各部、エッジなど傷がつきやすそうなところにダメージ表現を追加。デカールを貼ってます。
ボディの塗装に関しては、一部、実験的に、ウォッシングとドライブラシを繰り返して重ねる塗り方を試みてます。
これは、砂漠の実機といえども、雨や洗浄で水がかかることああろうし、それによって汚れが落ちて筋ができるだろう。それを塗り直していくと、重なった層になるだろう、と考えてのことで、現実にもペンキの塗り重ねでそういう風な質感になっている物をよく見ますので、それを再現できないかと試したものです。
が、あまり小さい模型の塗装でやっても見た目の効果はなかったです。
胸をよく見て貰うと、微妙に塗膜の奧に黒い感じとか出てると思うんですが。

しかし、なんていうか・・・やっぱり俺・・・
ドライブラシ命(キリッ)! かもしれません

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装甲には銃弾の跡を追加。アンテナは作り直しです。ボディラインも多少いじってます。基本素組みですが、リベットとかは追加。

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途中で問題が発覚。
なにぶんトイなので、材質が普通のプラではなく、ちょっと力を加えると塗料が剥がれてきてしまう材質だと、塗装してから気付いたので苦労しました。
関節は軟質樹脂なので、元から塗料がのらないので、ペーパーを荒いのから順に1500番ぐらいまでかけて、パーティングラインをツルツルにしてあります。
よく考えると、どうせポーズ固定なんだから、プラで作り直したほうが早かったですね、ボケボケ。

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そんな教訓があったので、足下に転がってるスコープドッグは、素材の色そのままで塗装してません。
ペーパーをかけてツヤを消してやって、墨入れしただけです。
ベースはスチレンボードに石膏を塗ったもの。
砂漠は、トノ粉を使って表現します
1/48ぐらいだと、このぐらい粒子が細かい方がちょうどいいんですが、トノ粉は水分で溶けるので、接着に苦労します。このベースもひび割れが出ちゃってます。

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まあそんなわけで、久々のお蔵だし模型でした。

ああ、余談ですが、俺らがホビージャパンで模型をつくっていた頃って、最初のボトムズが出てきた時期です。
当時、ああいう「ぶさ格好いい、小型の戦闘車両」的なタイプのメカというのは、なにぶん初めてのことだったんで、編集さんやカメラマンさんが、試行錯誤して苦労を重ねて撮影のコツを掴んでいったと思います。
そのコツっていうのは、普通のロボット模型は、アオリ気味で撮るほうが巨大感とか出て格好いいのですが、ボトムズに関しては、足を拡げて腰を落とし、少し上から見下ろすのが一番格好いい、っていうことです
以後、この法則に従って、ずっと撮影されていたのですが、最近はこの撮り方を知らない人が増えてるせいか、どうもボトムズ模型では格好悪いアングルが目立ちます。
老舗の「ホビージャパン」や「電撃ホビーマガジン」は、今でも撮影がスタジオRと同会社だったと思いますので(昔からHJで撮影を担当されてた会社です、H松さん、お元気ですか、その節はお世話になりました)、良いのですが、他で、「あかん写真」をよく見ます。
模型だけではなく、アニメの演出とかにも、同じことが言えてる感じがします
演出がボトムズ向けじゃないというか、オタクの人が、巨大ロボットアニメの方法論をそのまま持ち込んでるというか。
余談でした。

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なわけで、またいつか、お蔵だし模型を。

ばいばいき~ん!!


★追加写真
せっかく作ったんで、簡単に背景を合成してみた。
fatty

我々、生粋のモデラーは、元々、模型を改造したり、きちんと作って、塗装をしたり、というプロセスを楽しんでいたことから、プロになっちゃったわけですから、模型というのは、ちゃんとユーザーが作るもの、という思いというか
一種、意固地な考えがあります
頭硬いです

なので、バンダイのガンプラ、特にMGシリーズが、どんどん進化していって、ハメ込んでいくだけで、ほとんど出来ちゃう、みたいなノリには、あまり、好感を持たないことが多いわけです
あれは組み立てるオモチャであって、プラモデルではない
という悪口は、よく聞きますが、それが、思いを集約した言葉でしょう。

プラモというのは、本来は作る人の作品であると思うのですが、ガンプラは、もはや、どう作っても、バンダイの作品でしかないんですよね
完成されすぎていて、ユーザー本来の余地が限られる。
バンダイの作品を作らされている
という意味では、あれは、我々が子供の頃に楽しんだ、プラモデル本来の楽しみではないと思いますし、プラモデルではない、という指摘も正しいと思います

俺自身が、そういう感覚を持っていたので、これまで、あまりMGシリーズは好きではなかったんですが、近年、だんだんと、その思いが変わってきました。

子供が幼くて、日々の生活があると、どうしても、模型を作る時間というのは、ないんですよね
ある程度子供が大きくなったり、妻とふれ合う時間が少なければ、そのぶん、模型も作れる時間が捻出できるんでしょうが、なかなか、現段階ではそれもままならない

でも、作りたいという欲求だけはあるとなると、簡単に、それらしく形になるもの、というのが、結構ありがたくなってくるんですね
MGのコンセプトは、元々は、模型が上手でなくてもそれらしくなる、ってことだと思うんですが、上手下手関係なく、
時間がないけど欲求だけある
っていう人には、結構、うってつけだと思うようになってきました

我が家に、1/100MGガンダムのVer2が眠っているんですが、このキットも、なかなか複雑なキットで、ちゃんと作ると終わりそうにないなぁ、コレ、と、なんとなくそれをいじりまわしているうちに、そんな風に思うようになってきたんですが
よし、つや消しだけ吹いて素組みでウエザリングだけ入れて、塗らずに仕上げてやろう、と思ったら、既に一部パテ埋めされてて部分がグレーグレーしてたので、無理でした(笑)

まあ、とにかく、そんなわけで、最近は、MGの存在意義をすごく感じます
以前触れた、バンダイのスターウォーズシリーズも、同じ意味で良いと思いますが、タイファイターのパネル一体成形はやりすぎです(笑)

ただまあ、やっぱり、世間で数少ないお店にいくと
プラモ・イコール・ガンプラ
みたいな傾向になっちゃってるのは、あまり嬉しくは思えませんけどね。

余談ですが
「ガンダムビルド・ファイターズ」で、パーツを組み合わせて改造する、という自由な発想の楽しみ方を提示しているのは、良いことだとは思うんですが、あれは、現実に照らして考えると、まず宣伝番組色が強すぎてアレだし、提示されてることは、ガンプラの『レゴ』ですよね
パズル、積み木、なんでもいいと思うんですが、組み合わせであって、自作、改造ではない。
ガンプラは、プラが普通のプラじゃないですから、実際にMGなんかを劇中のように改造するのは不可能に近いため、結局、パーツ組み合わせレベルの遊びが現実的になっちゃう
そして、劇中で作られたものが、またキットとして発売される
ベアッガイさんなんてのは、本来、アッガイをベースにユーザーが改造して作るからこそ、番組が提示する「みんなで作る楽しみを」という発想の意味があるわけですけれど、結局、キットとして出ちゃうから、別に自分で作らなくても済むことになっちゃう
あれじゃ、なんだか、しょうがないと思うんですけどね。
余談でした。


ま、とはいえ、完全プライベートモードだと、俺は基本的には『映画と特撮の人』なので、アニメ物は、めったに作らないから、そういう風に思っても、ガンプラは買わないんですけどね(笑)
MGもそんな風に作ってみたいなぁ、とは思うんですけど、購入優先度からいくと、まだまだ欲しいものがたくさんあるので、MGシリーズはずっと下のほうで、なかなか、買うまでに行き着きませんなぁ。


▼これは大失敗作なので、あえて単独の記事にしませんが、この記事のついでに載せときます
2006-03-22-029
▲十数年の模型ブランク後に、はじめて触ったMGシリーズで作ったガンキャノン。
別にガンキャノンというアイテムがどうこう、という趣味はなく、単にブランク後のリハビリに、改造し甲斐のありそうな素材だったから選択しただけです。
格好悪いのが気に入らず、徹底的なまでに、プロポーションを改修した。
が、ブランクがあるので、MGの特性というものをまるっきり知らずに、普通のプラモのつもりでスミ 入れやウォッシングしたら、表面が見事にバキバキに割れてしまったという、とても痛い過去を持つのです。
表面塗装がボロっぽいのは、バキバキに割れたところを必死で修復したためです。

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▲腕や足、ふくらはぎやももは、安彦作画特有の柔らかい曲線を出すべく、全てパテ盛りや削り込みで改造
こういうところが、前述の限界の部分をよく表してもいると思いますが、要するに、MGというのは、インナーフレームに外装をはめていく形式になっているから、いくら外装を改造しても、形状がインナーフレームの制約から逃れられない。極論すれば、インナーより細い脚とか腕とかは出来ないわけです。
もし、本当に改造しようとすれば、インナー自体を改造するしかありませんが、そうなると、ものすごく大変だし、そもそも、インナーはABSみたいな樹脂なので、簡単にいじれないようになっているんですよね~

2006-03-22-00
▲足の形状、すね、ふくらはぎ、腕、指、顔、全てプロポーションを改造した(塗装までは)入魂の作・・・だったが、塗装で全部バキバキ割れて台無しに(笑) かなりヘコんだ(笑)

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