毎度、本家からの再録です。
タカラトミーさんが出していた(過去形だけど、今でも売ってますが)、1/48の模型というか、トイのアズティックギアシリーズから、ファッティー地上用B型です。

以下の文章は、本家に掲載したときの文章に、若干手を入れたものです。

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昔、タカラトミーが出していた「装甲騎兵ボトムズ」の
1/48 アクティックギアシリーズ 陸戦ファッティーB型
でげす
制作は、たぶん2008年か、それ以前ぐらいだと思います。

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同シリーズのスコープドッグ・ターボカスタムといっしょに、簡易ディオラマ風にしてみました。

なんでこのチョイスかっていうと、これに関しては、別に好きなわけでもなんでもないです。
というかどっちかというとボトムズ本編しか知らない人間だし、宇宙用ファッティーはいいんですが、陸専用ってのは格好悪くて嫌いなんです。

まあ、アレです、ずいぶん前に作ったんですが、色々事情があって作っただけで、別に好きなアイテムだったわけじゃ全然ありません。

このチョイスはなぜかというと、単に
中古品が安かったから
です(笑)
それ以外の理由はもう全く一切ありません

このシリーズ、単に、アレコレよく動いて遊べる、ということがメインのシリーズなんで、
要するにオモチャです
お世辞にもデキがいいとは言えません

いや、全体の形状はそこそこいいと思うんですが、パーツの合わせ目がやたら段差があったり、パーティングラインがそれこそズレズレだったり、細部のデキは相当にアレです。
きちんと細部が出来てないわ、エッジがダルいわ、引けてるわ、色々アレ。
スコープドッグなんかは、プロポーションもそこそこいいと思うんですが、ファッティーというアイテムは、元々、大河原デザインは、ぶさいくなんですよね。
なんせなまえが、訳すと「でぶちん」ってぐらいですからね、格好悪くて当たり前(笑)

でも、やっぱりアニメは、格好よく描かれちゃったり、「青の騎士」シリーズに登場するファッティはスマートで格好良くて、まあ、俺もずいぶん、ガレージキットの原型とか作りましたが、次第にそーいうイメージにシフトしちゃってきちゃっているので、今時、ファッティーを作るとなると、普通、そちら寄りの形状になるのが定番です。
ですが、このトイは、モロ、大河原バランスなので、忠実だけど、格好悪いんです

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▲ずーっと遙か昔、WAVEさんで原型を作らせてもらったファッティー(というか、ファニーデビル)。まだ、ガレージキットにポリキャップを入れるのもポピュラーじゃなかった固定関節の時代のものなので、やたら細部に凝るという傾向もなかった時代だけれど、珍しく、この作品ではコクピットまで再現している。割と当時は1/35のガレージキットで内部まで作るのは珍しかった。原型だけでなく、この記事の作例自体も俺。
ホビージャパンからの無断転載なので、マズかったらごめんちゃい。

20年以上前だよねぇ? コレ。うっわ、歳食うわけだ。


まあ、基本的に「動かして遊ぶ」ことをメインにしてるトイなので、壊れやすいディテールとかはオミットされてるし、細かい部分は軟質樹脂で出来てたりするので、ディスプレイ用に仕上げるのはなかなか大変です。
しかも小さい、1/48だから、9センチぐらいの大きさしかありません、だからこんな風に接写するとかなり荒く見えますが、そこは勘弁。

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見ての通り、超ちっこいサイズ。手の平サイズのオモチャです。

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ご覧のとおり、元のトイは合わせ目もばりばり、ズレて筋出まくりのアレなデキなので、接着してペーパーで合わせ目を修正してやります。この元写真と比べて貰うと、かなり手を入れてるのが分かると思います。
ご覧のとおり、バランスがもっさい、というか、上半身がたくましすぎます、60歳超えていまだ現役のスタローンかよステロイドやりすぎだよお前血管浮きまくってんじゃん! ってぐらいにたくましいです
なので、腕など太すぎてバランスが悪い部分は幅をつめたりしてます
けど、元デザインは、割とこんなバランスの悪いイメージです。

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全体に溶きパテを塗り、鋳造表現を追加。鉄板というか板で出来てそうなところだけはツルツルにして質感を変えてあります。
ああ、言わずもがなの、ポーズは完全固定です

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ちょっと分かりにくいかもしれませんが、元のミサイルポッドには、「お前は原発の活断層か!」ってぐらいに段差が走ってましたので、側面のモールドは削り落として、平らにした後、モールドを伸ばしランナーで追加し直してます。

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銃回りなどは特にいじってませんが、合わせ目ズレが激しいので、ひたすら削り込みです。よく分からないと思いますが、手の表情がなくて格好悪いので、指は削り込んで往年の「藤田指」にしてます。

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各部、エッジなど傷がつきやすそうなところにダメージ表現を追加。デカールを貼ってます。
ボディの塗装に関しては、一部、実験的に、ウォッシングとドライブラシを繰り返して重ねる塗り方を試みてます。
これは、砂漠の実機といえども、雨や洗浄で水がかかることああろうし、それによって汚れが落ちて筋ができるだろう。それを塗り直していくと、重なった層になるだろう、と考えてのことで、現実にもペンキの塗り重ねでそういう風な質感になっている物をよく見ますので、それを再現できないかと試したものです。
が、あまり小さい模型の塗装でやっても見た目の効果はなかったです。
胸をよく見て貰うと、微妙に塗膜の奧に黒い感じとか出てると思うんですが。

しかし、なんていうか・・・やっぱり俺・・・
ドライブラシ命(キリッ)! かもしれません

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装甲には銃弾の跡を追加。アンテナは作り直しです。ボディラインも多少いじってます。基本素組みですが、リベットとかは追加。

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途中で問題が発覚。
なにぶんトイなので、材質が普通のプラではなく、ちょっと力を加えると塗料が剥がれてきてしまう材質だと、塗装してから気付いたので苦労しました。
関節は軟質樹脂なので、元から塗料がのらないので、ペーパーを荒いのから順に1500番ぐらいまでかけて、パーティングラインをツルツルにしてあります。
よく考えると、どうせポーズ固定なんだから、プラで作り直したほうが早かったですね、ボケボケ。

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そんな教訓があったので、足下に転がってるスコープドッグは、素材の色そのままで塗装してません。
ペーパーをかけてツヤを消してやって、墨入れしただけです。
ベースはスチレンボードに石膏を塗ったもの。
砂漠は、トノ粉を使って表現します
1/48ぐらいだと、このぐらい粒子が細かい方がちょうどいいんですが、トノ粉は水分で溶けるので、接着に苦労します。このベースもひび割れが出ちゃってます。

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まあそんなわけで、久々のお蔵だし模型でした。

ああ、余談ですが、俺らがホビージャパンで模型をつくっていた頃って、最初のボトムズが出てきた時期です。
当時、ああいう「ぶさ格好いい、小型の戦闘車両」的なタイプのメカというのは、なにぶん初めてのことだったんで、編集さんやカメラマンさんが、試行錯誤して苦労を重ねて撮影のコツを掴んでいったと思います。
そのコツっていうのは、普通のロボット模型は、アオリ気味で撮るほうが巨大感とか出て格好いいのですが、ボトムズに関しては、足を拡げて腰を落とし、少し上から見下ろすのが一番格好いい、っていうことです
以後、この法則に従って、ずっと撮影されていたのですが、最近はこの撮り方を知らない人が増えてるせいか、どうもボトムズ模型では格好悪いアングルが目立ちます。
老舗の「ホビージャパン」や「電撃ホビーマガジン」は、今でも撮影がスタジオRと同会社だったと思いますので(昔からHJで撮影を担当されてた会社です、H松さん、お元気ですか、その節はお世話になりました)、良いのですが、他で、「あかん写真」をよく見ます。
模型だけではなく、アニメの演出とかにも、同じことが言えてる感じがします
演出がボトムズ向けじゃないというか、オタクの人が、巨大ロボットアニメの方法論をそのまま持ち込んでるというか。
余談でした。

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なわけで、またいつか、お蔵だし模型を。

ばいばいき~ん!!


★追加写真
せっかく作ったんで、簡単に背景を合成してみた。
fatty